【限界利益】と【粗利】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

限界利益と粗利の分かりやすい違い
限界利益と粗利は、どちらも収益性を示す指標ですが、計算方法と用途が異なります。
限界利益は変動費のみを引いて固定費回収力を見る管理会計の指標です。
粗利は売上原価を引いて商品の収益性を見る財務会計の基本指標です。
限界利益とは?
限界利益とは、売上高から変動費のみを差し引いた利益で、管理会計で使用される重要な指標です。変動費には原材料費、外注費、販売手数料など、売上に比例して増減する費用が含まれます。限界利益は固定費を回収し、利益を生み出す源泉となるため、「貢献利益」とも呼ばれます。
限界利益率(限界利益÷売上高)を把握することで、売上が1円増えた時にいくら利益が増えるかがわかります。損益分岐点分析やCVP分析(Cost-Volume-Profit分析)の基礎となる概念で、価格設定や生産計画の意思決定に活用されます。
「限界利益を改善する」「限界利益率40%を確保」のように、管理会計での収益性分析を表現する際に使用される言葉です。
限界利益の例文
- ( 1 ) 新商品の限界利益率が45%と高いため、積極的に販売を推進します。
- ( 2 ) 限界利益が固定費を上回れば、黒字化が達成できます。
- ( 3 ) 受注判断では、限界利益がプラスなら短期的には受けるべきです。
- ( 4 ) 限界利益分析により、不採算商品からの撤退を決定しました。
- ( 5 ) 変動費を削減し、限界利益率を5ポイント改善させました。
- ( 6 ) 限界利益額が月額固定費の2倍以上あれば、経営は安定します。
限界利益の会話例
粗利とは?
粗利(売上総利益)とは、売上高から売上原価を差し引いた利益で、財務会計の基本的な利益指標です。商品やサービスそのものの収益性を示し、企業の基本的な収益力を表します。製造業では製造原価、小売業では仕入原価が売上原価となります。
粗利率(粗利÷売上高)は業種により大きく異なり、製造業で20-30%、小売業で25-35%、サービス業では50%以上となることもあります。粗利から販売費及び一般管理費を引くと営業利益になります。商品力や価格競争力を測る重要な指標です。
「粗利率30%を目標とする」「粗利を確保する」のように、商品・サービスの基本的な収益性を表現する際に使用される言葉です。
粗利の例文
- ( 1 ) 今期の粗利率は32%で、前期比2ポイント向上しました。
- ( 2 ) 原材料費の高騰により、粗利が圧迫されています。
- ( 3 ) 粗利益を確保するため、販売価格の見直しが必要です。
- ( 4 ) 競合との価格競争で粗利率が低下傾向にあります。
- ( 5 ) 高付加価値商品へのシフトで、粗利の改善を図ります。
- ( 6 ) 粗利から販管費を引いた営業利益は500万円でした。
粗利の会話例
限界利益と粗利の違いまとめ
限界利益と粗利は、どちらも企業の収益性を測る重要な指標ですが、視点と活用方法が異なります。
限界利益は管理会計の概念で、変動費のみを考慮し、短期的な意思決定に活用されます。粗利は財務会計の概念で、対外的な報告や長期的な収益性評価に使用されます。
両指標を適切に使い分けることで、より精緻な経営判断が可能になります。
限界利益と粗利の読み方
- 限界利益(ひらがな):げんかいりえき
- 限界利益(ローマ字):gennkairieki
- 粗利(ひらがな):あらり
- 粗利(ローマ字):arari