【職責】と【職務】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

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職責と職務の分かりやすい違い

職責と職務は、どちらも仕事に関する重要な概念ですが、その意味と範囲が異なります。

職責は「部長としての責任」のように職位に応じた責任範囲を示し、職務は「営業活動」のように実際に行う仕事の内容を示します。

人事管理において、職責は評価や処遇の基準となり、職務は業務分担や教育訓練の基礎となる重要な概念です。

職責とは?

職責とは、職位や役職に伴う責任、義務、果たすべき役割を意味します。「営業部長の職責」「プロジェクトマネージャーの職責」のように、その立場にある人が負うべき責任の範囲と重さを表します。単に仕事をこなすだけでなく、結果に対する責任、部下の指導育成、組織目標の達成など、より高次元の責務を含みます。職責は昇進・昇格と共に重くなり、権限の大きさと比例することが一般的です。

職責の明確化は、組織運営において極めて重要です。各職位の職責を明文化することで、責任の所在が明確になり、業務の重複や漏れを防ぐことができます。また、人事評価においても、職責を基準とすることで、公平で納得性の高い評価が可能になります。管理職の職責には、業績責任、人材育成責任、コンプライアンス責任などが含まれ、これらを適切に果たすことが求められます。

職責を全うするためには、その職位に見合った権限、知識、スキル、判断力が必要です。また、職責の重さは精神的なプレッシャーにもなるため、適切なサポート体制も重要です。職責を明確に理解し、それに見合った行動を取ることが、プロフェッショナルとしての成長につながります。

職責の例文

  • ( 1 ) 部長としての職責を果たすため、部門の業績向上に全力を尽くします。
  • ( 2 ) 重大な判断ミスは、管理職としての職責を問われる事態となりました。
  • ( 3 ) プロジェクトリーダーの職責として、メンバーの安全管理も含まれます。
  • ( 4 ) 職責の重さを自覚し、公正な人事評価を心がけています。
  • ( 5 ) 取締役の職責には、企業価値の向上と株主への説明責任があります。
  • ( 6 ) 職責を全うできなかった場合、降格もやむを得ないと考えています。

職責の会話例

私の職責は何でしょうか?明確にしていただけますか。
あなたの職責は、チームの売上目標達成と部下3名の育成です。これらの結果に対して責任を負っていただきます。権限と共に、相応の評価・処遇も用意されています。
職責が重すぎて、プレッシャーを感じています。
職責の重さは成長の機会でもあります。一人で抱え込まず、上司や同僚のサポートを活用してください。必要なら職責の一部を見直すことも検討しましょう。
職責を果たせなかった場合はどうなりますか?
状況により異なりますが、指導・教育から始まり、改善が見られない場合は配置転換や降格もあり得ます。ただし、まずは原因分析と改善策の検討が優先されます。

職務とは?

職務とは、職業や職位において実際に遂行する具体的な仕事の内容、業務、任務を指します。「営業職の職務」「経理担当者の職務」のように、日々行う業務活動の総称です。職務記述書(ジョブディスクリプション)に詳細に記載され、採用、配置、教育訓練の基準となります。職務内容は、企業や部署、職位により異なりますが、明確に定義することで効率的な組織運営が可能になります。

職務の範囲は、主たる業務から付随業務まで幅広く含まれます。例えば、営業職の職務には、顧客訪問、提案書作成、受注処理、顧客管理、売上報告などが含まれます。職務分析により、各職種・職位に必要なスキルや知識を特定し、適材適所の人員配置を実現できます。また、職務の標準化により、業務品質の均一化と効率化が図れます。

現代のビジネス環境では、職務の範囲が拡大・複雑化する傾向にあります。デジタル化により新たな職務が生まれ、既存の職務も変化しています。そのため、定期的な職務の見直しと、それに応じたスキルアップが必要です。職務を適切に遂行することは、個人の成果だけでなく、組織全体の生産性向上にもつながります。

職務の例文

  • ( 1 ) 営業担当者の職務として、日々の顧客訪問は欠かせません。
  • ( 2 ) 職務内容が変更になったため、新しい業務マニュアルを作成しました。
  • ( 3 ) 経理の職務には、日次の仕訳入力から月次決算まで幅広く含まれます。
  • ( 4 ) 職務遂行能力を高めるため、専門研修を受講しています。
  • ( 5 ) 職務記述書を更新し、現在の業務実態に合わせました。
  • ( 6 ) 複数の職務を兼任しているため、優先順位付けが重要です。

職務の会話例

現在の職務内容を教えてください。
あなたの主な職務は、既存顧客のフォロー、新規開拓、見積書作成、受注処理、月次売上報告です。詳細は職務記述書をご確認ください。
職務が多すぎて手が回りません。どうすればよいですか?
まず職務の優先順位を明確にし、上司と相談して業務の再配分を検討しましょう。効率化できる部分があれば改善提案も有効です。場合によっては増員も必要かもしれません。
職務内容にない仕事を頼まれました。断ってもよいですか?
原則として協力的な姿勢が望ましいですが、本来の職務に支障が出る場合は上司に相談してください。「その他業務」として職務に含まれることもあるので、確認が必要です。

職責と職務の違いまとめ

職責と職務の最大の違いは、責任と業務内容の違いです。職責は「何に対して責任を持つか」を示し、職務は「何をするか」を示します。管理職を例にすると、職責は「部門の業績達成」、職務は「予算管理、人員配置、会議運営」となります。

階層性も異なり、職責は職位が上がるほど重く広範になりますが、職務は職種により専門化することもあります。また、職責は結果責任を含みますが、職務は行動や活動そのものを指します。

実務では、職責を理解した上で職務を遂行することが重要です。職責は方向性を示し、職務は具体的な行動を定めるという関係にあり、両者のバランスが組織の効果的な運営につながります。

職責と職務の読み方

  • 職責(ひらがな):しょくせき
  • 職責(ローマ字):shokuseki
  • 職務(ひらがな):しょくむ
  • 職務(ローマ字):shokumu
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