【兼任】と【兼務】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

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兼任と兼務の分かりやすい違い

兼任と兼務は、どちらも複数の仕事を同時に行うことですが、そのレベルと性質が異なります。

兼任は、複数の役職や地位を同時に持つことで、取締役と執行役員を兼任するのように使います。正式な任命を伴い、それぞれの役職の責任を負います。兼務は、複数の業務や実務を同時に担当することで、経理と総務を兼務するのように、実際の仕事内容を指します。

つまり、兼任は役職の兼任、兼務は業務の兼務という違いがあります。

兼任とは?

兼任とは、一人の人物が複数の役職、地位、職位を同時に保有することを指します。取締役兼CEO、教授兼研究所長、部長兼プロジェクトマネージャーなど、正式な任命行為を伴う複数のポジションを持つ状態です。それぞれの役職に付随する権限と責任を同時に負うことになります。

兼任のメリットは、意思決定の迅速化、組織間の連携強化、人材の有効活用などです。一方、デメリットとして、業務負荷の集中、利益相反の可能性、後継者育成の遅れなどがあります。特に上場企業では、ガバナンスの観点から過度な兼任は問題視されることもあります。

兼任の際は、それぞれの役職の職責を明確にし、時間配分や優先順位を適切に管理することが重要です。また、組織規程や定款での規定、利益相反の管理、情報管理の徹底なども必要となります。

兼任の例文

  • ( 1 ) 代表取締役社長とCEOを兼任することになりました。
  • ( 2 ) 複数の委員会の委員長を兼任し、組織改革を推進しています。
  • ( 3 ) 大学教授と企業顧問を兼任し、産学連携を深めています。
  • ( 4 ) 子会社の取締役を兼任することで、グループ経営を強化しています。
  • ( 5 ) 執行役員と事業部長の兼任により、迅速な意思決定が可能になりました。
  • ( 6 ) 社外取締役の兼任数に制限を設け、ガバナンスを強化しました。

兼任の会話例

人事部長、兼任と兼務はどう違うのですか?
兼任は役職を複数持つこと、兼務は業務を複数担当することです。兼任の方が正式で重い責任を伴います。
部長と課長は兼任できますか?
組織上難しいです。上下関係がある役職の兼任は、指揮命令系統が混乱するため避けるべきです。
兼務が多すぎて大変です。どうすればよいですか?
業務の棚卸しをして優先順位を明確にし、上司に相談しましょう。必要なら業務の再配分を提案してください。

兼務とは?

兼務とは、一人の従業員が本来の業務に加えて、他の業務も同時に担当することを指します。人事兼務総務、営業兼務マーケティングなど、実際の業務内容レベルでの複数担当を表します。中小企業では人材不足から兼務が常態化していることも多く、一人多役が求められます。

兼務の背景には、組織の効率化、人件費削減、業務の関連性、人材育成などがあります。適切な兼務は、業務の相乗効果、スキルの幅広い習得、組織の柔軟性向上につながります。しかし、過度な兼務は、業務品質の低下、従業員の疲弊、専門性の欠如を招く恐れがあります。

効果的な兼務のためには、業務の優先順位付け、適切な権限委譲、業務プロセスの効率化、サポート体制の整備が不可欠です。また、兼務手当の支給や評価制度での配慮など、処遇面での対応も重要となります。

兼務の例文

  • ( 1 ) 人事部と総務部の業務を兼務することになりました。
  • ( 2 ) 営業事務と経理事務を兼務し、業務の幅が広がりました。
  • ( 3 ) 複数プロジェクトを兼務し、スケジュール管理が課題となっています。
  • ( 4 ) 広報と採用を兼務することで、一貫した企業メッセージを発信できています。
  • ( 5 ) 兼務により業務負荷が増えたため、優先順位の見直しを行いました。
  • ( 6 ) ITとセキュリティ管理を兼務し、総合的な対策を実施しています。

兼務の会話例

兼任の場合、名刺はどう書けばよいですか?
主要な役職を大きく、兼任役職を小さく記載するのが一般的です。スペースの都合で主要なものだけでも構いません。
兼務手当はもらえますか?
企業により異なります。就業規則を確認し、規定がなければ人事部に相談してみましょう。
兼任・兼務のメリットは何ですか?
視野が広がり、組織全体を理解できます。キャリアの幅も広がり、将来の可能性が増えます。

兼任と兼務の違いまとめ

兼任と兼務の違いを理解することは、組織運営と人材活用において重要です。兼任は役職レベル、兼務は業務レベルという階層の違いがあります。

実務では、兼任は取締役会決議や辞令交付など正式な手続きを要しますが、兼務は上司の指示で比較的柔軟に行われます。また、兼任は対外的にも公表されることが多いですが、兼務は組織内部の運用に留まることが一般的です。

どちらも適切に活用すれば組織の効率化に寄与しますが、過度な集中は避けるべきです。個人の能力と組織のニーズのバランスを考慮し、持続可能な体制を構築することが大切です。

兼任と兼務の読み方

  • 兼任(ひらがな):けんにん
  • 兼任(ローマ字):kennninn
  • 兼務(ひらがな):けんむ
  • 兼務(ローマ字):kennmu
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