【鑑み】と【考慮】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

鑑みと考慮の分かりやすい違い
鑑みは、過去の例や現在の状況を参考にして判断することです。「前例に鑑みて」「状況を鑑みて」のように、何かを基準や参考にする時に使う、やや硬い表現です。
考慮は、様々な要素や条件を考えに入れることです。「年齢を考慮する」「事情を考慮する」のように、判断する際に配慮すべき点を含める時に使う一般的な表現です。
鑑みは参考にする、考慮は配慮するという違いがあります。
鑑みとは?
鑑みとは、「鑑みる」の連用形で、過去の事例や現在の状況を参照し、それを判断の基準として用いることを意味します。「鑑」は鏡の意味があり、何かを映し出して参考にするというニュアンスを持ちます。
主に「~に鑑みて」「~を鑑みて」という形で使われ、公式文書、法律文書、ビジネス文書などで好まれる格式高い表現です。「前例に鑑みて」「国際情勢を鑑みて」など、客観的な根拠を示す際に効果的です。
日常会話ではあまり使われず、書き言葉として、または改まった場面での話し言葉として使用されます。類似の意味を持つ言葉より堅い印象を与えるため、使用場面を選ぶ必要があります。
鑑みの例文
- ( 1 ) 過去の事例に鑑みて、慎重に判断すべきです。
- ( 2 ) 現在の経済状況を鑑みて、計画を見直します。
- ( 3 ) 諸般の事情を鑑みて、延期を決定しました。
- ( 4 ) 国際情勢を鑑みて、方針を変更します。
- ( 5 ) 前回の失敗を鑑みて、対策を講じました。
- ( 6 ) 社会情勢を鑑みて、新制度を導入します。
鑑みの会話例
考慮とは?
考慮とは、物事を決定する際に、関連する様々な要素や条件を考えに入れることを意味します。「考」は考える、「慮」は思いめぐらすという意味で、総合的に検討することを表します。
「お客様のご要望を考慮する」「天候を考慮して計画を立てる」など、日常生活からビジネスまで幅広く使われる汎用性の高い言葉です。相手の立場や気持ち、外的要因など、あらゆる側面を含めて考えることができます。
「考慮する」「考慮に入れる」「考慮の上」などの形で使われ、思いやりや配慮のニュアンスも含まれます。判断や決定をより適切なものにするための、バランスの取れた思考プロセスを表現する言葉です。
考慮の例文
- ( 1 ) お客様の年齢を考慮して、サービスを提供します。
- ( 2 ) 全員の意見を考慮して決定しました。
- ( 3 ) 予算を考慮して、計画を立てています。
- ( 4 ) 子供の体調を考慮して、予定を変更しました。
- ( 5 ) 安全性を十分に考慮した設計です。
- ( 6 ) 個人差を考慮する必要があります。
考慮の会話例
鑑みと考慮の違いまとめ
鑑みは過去の事例や現状を参照して判断することで、「前例に鑑みて」のように使う格式高い表現です。公式文書でよく使われ、日常会話では硬い印象を与えます。
考慮は様々な要素を総合的に考えることで、「事情を考慮する」のように使う一般的な表現です。日常会話でも自然に使え、配慮や思いやりのニュアンスも含みます。
簡単に言えば、鑑みは「参考にして」、考慮は「いろいろ考えて」という違いで、鑑みの方がより堅く公式的な表現です。
鑑みと考慮の読み方
- 鑑み(ひらがな):かんがみ
- 鑑み(ローマ字):kanngami
- 考慮(ひらがな):こうりょ
- 考慮(ローマ字):kouryo