【依願退職】と【自己退社】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

依願退職と自己退社の分かりやすい違い
依願退職と自己退社は、どちらも自分から会社を辞めることを表しそうですが、使い方に大きな違いがあります。依願退職は、社員が自分の意思で退職を願い出る正式な言葉です。
自己退社という言葉は、ビジネスでは一般的に使われず、自己都合退職の間違いか、話し言葉として使われることがあります。
正しくは依願退職または自己都合退職を使いましょう。
依願退職とは?
依願退職とは、従業員が自らの意思により退職を申し出て、使用者がこれを承認することで成立する退職形態です。公務員や大企業で特に使用される正式な用語で、退職願を提出して上司の承認を得るプロセスを経ます。転職、家庭の事情、健康上の理由など、様々な個人的理由により選択される退職方法です。
依願退職は労働者の権利であり、民法では2週間前の申し出により退職が可能とされています。ただし、就業規則により1〜3ヶ月前の申し出を求める企業も多く、円満退職のためには適切な引き継ぎ期間の確保が重要です。退職金や失業保険の受給条件にも影響するため、手続きは慎重に行う必要があります。
依願退職では、退職理由を一身上の都合とすることが一般的で、詳細な理由の開示は必須ではありません。会社都合退職と異なり、失業保険の給付制限期間が設けられる場合があります。
依願退職の例文
- ( 1 ) この度、一身上の都合により依願退職させていただくことになりました。
- ( 2 ) 依願退職の申し出を受理し、退職日を3月31日といたします。
- ( 3 ) 依願退職者への退職金は、勤続年数に応じて算定されます。
- ( 4 ) 部長が依願退職されることになり、後任の選定を急いでいます。
- ( 5 ) 依願退職の手続きについて、人事部から説明を受けました。
- ( 6 ) 円満な依願退職のため、十分な引き継ぎ期間を設けています。
依願退職の会話例
自己退社とは?
自己退社という表現は、ビジネスシーンでは一般的に使用されない用語です。正しくは自己都合退職、依願退職、自主退職などの表現を用います。口語的に自分で退社したという意味で使われることはありますが、公式文書や履歴書では避けるべき表現です。
もし自己退社という言葉を耳にした場合、多くは自己都合退職の誤用か、話者独自の表現と考えられます。退職に関する正式な分類は自己都合退職と会社都合退職の2種類が基本であり、その中で自己都合退職には依願退職、契約期間満了、定年退職などが含まれます。
ビジネス文書や公的な場面では、正確な用語の使用が信頼性につながります。退職に関する手続きや書類作成時は、依願退職、自己都合による退職など、適切な表現を選択することが重要です。
自己退社の例文
- ( 1 ) (※自己退社は一般的に使用されない表現のため、正しい使用例を示します)
- ( 2 ) 彼は自己都合により退職しました(×自己退社→○自己都合退職)。
- ( 3 ) 自分から会社を辞めることを、正式には依願退職といいます。
- ( 4 ) 履歴書には『自己都合により退職』と記載してください(×自己退社)。
- ( 5 ) 退職理由は自己都合ですか、会社都合ですか(×自己退社)。
- ( 6 ) 正確には『依願退職』または『自己都合退職』という表現を使いましょう。
自己退社の会話例
依願退職と自己退社の違いまとめ
依願退職と自己退社の最大の違いは、用語の正式性と使用頻度です。依願退職は正式なビジネス用語として確立されていますが、自己退社は一般的には使用されません。
ビジネスシーンでは、自らの意思による退職を表現する際は依願退職、自己都合退職を使用します。履歴書や退職願などの公式文書では、必ず正式な用語を用いることが重要です。
適切な用語の使用は、プロフェッショナルとしての信頼性を高め、スムーズな手続きにつながります。
依願退職と自己退社の読み方
- 依願退職(ひらがな):いがんたいしょく
- 依願退職(ローマ字):iganntaishoku
- 自己退社(ひらがな):じこたいしゃ
- 自己退社(ローマ字):jikotaisha