【サービス残業】と【見込み残業】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

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サービス残業と見込み残業の分かりやすい違い

サービス残業と見込み残業は、どちらも残業に関する言葉ですが、その性質と合法性が全く異なります。

サービス残業は、実際に残業したのに残業代が支払われない違法な労働で、タダ働きとも呼ばれます。労働基準法違反となります。見込み残業(固定残業代制)は、あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含める合法的な制度で、月30時間分の残業代を含むのように明示されます。

つまり、サービス残業は違法な無給労働、見込み残業は合法的な給与制度という違いがあります。

サービス残業とは?

サービス残業とは、労働者が時間外労働を行っているにも関わらず、残業代(時間外労働手当)が支払われない違法な労働形態です。サービスという名称ですが、労働基準法第37条に違反する重大な法令違反行為です。賃金不払い残業、タダ働き、隠れ残業などとも呼ばれ、日本の労働問題の象徴的存在となっています。

サービス残業が発生する背景には、上司の圧力、暗黙の了解、成果主義の誤解、労働時間管理の不備などがあります。タイムカードを切った後の労働、持ち帰り残業、早朝出勤の不計上など、様々な形態で行われています。企業にとっては、労基署の是正勧告、未払い賃金の遡及支払い、企業イメージの低下などのリスクがあります。

サービス残業の撲滅には、適正な労働時間管理、管理職の意識改革、内部通報制度の整備、業務効率化が必要です。労働者も、労働時間の記録保持、労働組合や労基署への相談など、自己防衛が重要です。

サービス残業の例文

  • ( 1 ) サービス残業の強要は、パワーハラスメントにも該当する可能性があります。
  • ( 2 ) 労基署の調査により、2年分のサービス残業代の支払いを命じられました。
  • ( 3 ) サービス残業の証拠として、メールの送信時刻やPCログを保存しています。
  • ( 4 ) サービス残業をなくすため、20時以降の残業を原則禁止としました。
  • ( 5 ) 内部告発によりサービス残業の実態が明らかになり、経営陣が謝罪しました。
  • ( 6 ) サービス残業ゼロ宣言を行い、働き方改革を推進しています。

サービス残業の会話例

人事部長、見込み残業があればサービス残業させても問題ないですか?
いいえ、全く違います。見込み時間を超えたら必ず追加支払いが必要です。そうしないと違法です。
サービス残業を断ったら、評価が下がりそうで不安です。
サービス残業の強要は違法です。記録を残し、労働組合や労基署に相談することをお勧めします。
見込み残業45時間は多すぎませんか?
36協定の限度時間と実態を考慮すべきです。過度な設定は問題となる可能性があります。

見込み残業とは?

見込み残業(固定残業代制、みなし残業代制)とは、あらかじめ一定時間分の残業代を固定給に含めて支払う給与制度です。例えば基本給25万円(30時間分の残業代5万円を含む)のように、残業の有無に関わらず固定額を支払います。適正に運用されれば合法的な制度です。

見込み残業制度のメリットは、給与の安定性、事務処理の簡素化、採用時の見かけ給与額の向上などです。ただし、見込み時間を超えた場合の追加支払い義務、基本給と残業代の明確な区分、就業規則への明記、労働者への説明など、厳格な要件があります。これらを満たさない場合は違法となります。

適正な運用には、見込み時間の合理的設定、実労働時間の管理、超過分の確実な支払い、定期的な見直しが必要です。見込み残業を悪用したサービス残業の隠蔽は許されません。透明性の高い運用が求められます。

見込み残業の例文

  • ( 1 ) 見込み残業30時間分を含む給与体系に移行しました。
  • ( 2 ) 見込み残業時間を超過した分は、別途残業代を支給しています。
  • ( 3 ) 見込み残業制度の導入により、給与計算が効率化されました。
  • ( 4 ) 求人票に見込み残業代の内訳を明記することが義務付けられています。
  • ( 5 ) 見込み残業時間の妥当性を、年に一度見直しています。
  • ( 6 ) 見込み残業制度でも、労働時間の管理は厳格に行っています。

見込み残業の会話例

見込み残業制なので、定時で帰ってもよいですか?
はい、見込み残業は最低保証です。実際の残業が少なくても、見込み分は支払われます。
サービス残業の証拠はどう残せばよいですか?
メール送信時刻、PCログ、業務日報、タイムカードのコピーなど、客観的な記録を残しましょう。
見込み残業と実残業時間が大きく乖離しています。
制度の見直しが必要です。実態に合わない見込み時間は、制度の形骸化につながります。

サービス残業と見込み残業の違いまとめ

サービス残業と見込み残業の違いを理解することは、労働者の権利保護と企業のコンプライアンスに不可欠です。サービス残業は違法、見込み残業は条件付きで合法という根本的な違いがあります。

実務では、見込み残業制度があってもサービス残業が発生するケースがあります。例えば、月45時間の見込み残業で60時間働いた場合、15時間分は追加で支払う必要がありますが、これを怠るとサービス残業となります。

企業は適法な労働時間管理を、労働者は自身の権利を理解することが重要です。健全な労使関係と生産性の高い職場環境の実現には、両者の正しい理解と運用が不可欠です。

サービス残業と見込み残業の読み方

  • サービス残業(ひらがな):さーびすざんぎょう
  • サービス残業(ローマ字):sa-bisuzanngyou
  • 見込み残業(ひらがな):みこみざんぎょう
  • 見込み残業(ローマ字):mikomizanngyou
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