【協定】と【契約】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

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協定と契約の分かりやすい違い

協定と契約は、どちらも約束事を決める言葉ですが、使う場面と効力が違います。

協定は、会社と労働組合、国と国など、大きな組織同士が基本的な約束を決めるときに使います。契約は、具体的な商品の売買や仕事の依頼など、詳しい条件を法的に決めるときに使います。

ビジネスでは、協定で大枠を決めてから、契約で詳細を決めることがよくあります。

協定とは?

協定とは、複数の当事者(特に団体、組織、国家など)が特定の事項について合意し、相互に守るべき取り決めを定めたもので、比較的緩やかな拘束力を持つ合意文書です。

労使協定、業界協定、国際協定など、集団的な性格を持つ場合が多く、基本的な方針や枠組みを定める際に使用されます。法的拘束力は契約より弱い場合が多いですが、紳士協定のように道義的・社会的な拘束力を持ちます。労働基準法上の36協定(時間外労働に関する協定)のように、法律で定められた協定もあります。

ビジネスにおいては、業界団体の自主規制や労使間の取り決めなど、集団的な合意形成の場面で重要な役割を果たします。

協定の例文

  • ( 1 ) 労使協定により、フレックスタイム制度を導入することになりました。
  • ( 2 ) 36協定を締結しなければ、法定労働時間を超える残業はできません。
  • ( 3 ) 業界協定に基づき、不当な価格競争を避ける取り組みを進めています。
  • ( 4 ) 環境保護に関する国際協定に、当社も賛同することを表明しました。
  • ( 5 ) 労働組合との協定により、賃金改定の基本方針が決まりました。
  • ( 6 ) 守秘義務協定(NDA)を結んでから、詳細な技術情報を開示します。

協定の会話例

組合との協定交渉がまとまりそうです。
どのような内容の協定になりそうですか?
働き方改革に関する包括的な協定で、残業時間の上限設定などが含まれます。
協定が締結されれば、全従業員に適用されますね。
はい、労使協定は事業場の全労働者に効力が及びます。
円滑な実施に向けて、周知徹底が必要ですね。

契約とは?

契約とは、複数の当事者が特定の法律効果の発生を目的として行う意思表示の合致であり、法的拘束力を持つ約束です。

売買契約、雇用契約、請負契約など、具体的な権利義務関係を詳細に定め、違反した場合は損害賠償や強制執行などの法的措置が可能です。民法や商法などの法律に基づき、申込みと承諾により成立し、原則として当事者を拘束します。ビジネスでは日常的に様々な契約が締結され、企業活動の基盤となっています。

契約書の作成により、当事者間の合意内容を明確化し、将来のトラブルを防止する機能も持ち、企業法務において最も重要な法律行為の一つです。

契約の例文

  • ( 1 ) 新規取引先との売買契約を締結し、来月から取引を開始します。
  • ( 2 ) 雇用契約書に記載された労働条件は、必ず守らなければなりません。
  • ( 3 ) システム開発の請負契約では、納期と成果物を明確に定めています。
  • ( 4 ) 契約違反があった場合、損害賠償を請求する権利があります。
  • ( 5 ) 重要な契約締結前には、必ず法務部のリーガルチェックを受けてください。
  • ( 6 ) 長期供給契約により、安定的な原材料調達が可能になりました。

契約の会話例

重要な契約の締結を控えています。
契約内容について、懸念事項はありますか?
支払条件と瑕疵担保責任の条項を慎重に検討しています。
契約書のドラフトは法務部にも確認してもらいましたか?
はい、リーガルチェックを経て、いくつか修正提案をもらいました。
契約締結後のトラブルを避けるため、細部まで詰めておきましょう。

協定と契約の違いまとめ

協定と契約は、合意の性質、拘束力、使用場面において明確な違いがあります。

協定は集団的・政策的な合意で緩やかな拘束力を持ち、契約は個別具体的な合意で強い法的拘束力を持ちます。ビジネスシーンでは、労使関係では協定、取引関係では契約というように、場面に応じた使い分けが必要です。

両者の違いを理解することで、適切な合意形成と文書作成が可能になります。

協定と契約の読み方

  • 協定(ひらがな):きょうてい
  • 協定(ローマ字):kyoutei
  • 契約(ひらがな):けいやく
  • 契約(ローマ字):keiyaku
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