【時給】と【日給】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

時給と日給の分かりやすい違い
時給と日給は、どちらも賃金の計算方法ですが、その単位と適用場面が異なります。
時給は1時間単位で賃金を計算し、実際に働いた時間に応じて支払われます。一方、日給は1日単位で賃金が決められ、その日の労働時間に関わらず定額が支払われることが一般的です。
企業の雇用管理において、業務の性質や労働時間の変動性に応じて、適切な賃金体系を選択することが重要です。
時給とは?
時給とは、労働者の賃金を1時間単位で定めた給与体系です。実際に働いた時間数に時給を掛けて賃金を計算します。パートタイマー、アルバイト、派遣社員などの非正規雇用で広く採用されており、労働時間の柔軟な管理が可能です。最低賃金も時給で定められており、都道府県により異なりますが、全国平均は1,000円前後となっています。
時給制のメリットは、労働時間に応じた公平な賃金支払いができることです。残業や深夜労働には割増賃金が適用され、1分単位での計算も可能です。企業にとっては、繁忙期と閑散期で労働時間を調整しやすく、人件費の変動費化が図れます。一方、労働者にとっては収入が不安定になりやすいというデメリットもあります。
時給制の運用では、正確な勤怠管理が不可欠です。タイムカードや勤怠管理システムにより、客観的な労働時間の記録が求められます。また、時給制でも有給休暇の付与義務があり、平均賃金により有給取得時の賃金を計算します。社会保険の加入要件も満たす場合があるため、適切な管理が必要です。
時給の例文
- ( 1 ) コンビニのアルバイトは時給1,200円からスタートです。
- ( 2 ) 時給制により、忙しい時間帯だけ働くことができて助かります。
- ( 3 ) 深夜帯は時給が25%アップするので、効率的に稼げます。
- ( 4 ) 時給を100円上げて、人材確保に努めています。
- ( 5 ) パートタイマーの時給を能力に応じて段階的に設定しました。
- ( 6 ) 最低賃金の改定に伴い、全スタッフの時給を見直しました。
時給の会話例
日給とは?
日給とは、労働者の賃金を1日単位で定めた給与体系です。出勤した日数に日給を掛けて賃金を計算します。建設業、イベントスタッフ、日雇い労働などで多く採用されており、1日完結型の業務に適しています。日給は、その日の労働時間が多少変動しても一定額が保証されるため、労働者にとって収入の見通しが立てやすいという特徴があります。
日給制の特徴は、1日の標準労働時間(通常8時間)を前提に賃金が設定されることです。ただし、労働基準法の規定により、1日8時間を超える労働には時間外割増賃金の支払いが必要です。このため、日給÷所定労働時間で時間単価を算出し、超過分を計算することが一般的です。日給月給制という、月給制と日給制を組み合わせた制度もあります。
日給制を採用する際は、労働条件の明示が重要です。日給額、所定労働時間、休憩時間、時間外労働の取扱いなどを明確にする必要があります。また、雇用保険や社会保険の加入要件を満たす場合があるため、適切な手続きが求められます。日給制でも最低賃金法の適用を受けるため、時間換算での確認が必要です。
日給の例文
- ( 1 ) 建設現場の作業員を日給15,000円で募集しています。
- ( 2 ) イベントスタッフの日給は、交通費込みで12,000円です。
- ( 3 ) 日給制なので、1日しっかり働けば確実に収入が得られます。
- ( 4 ) 経験者は日給18,000円からの高待遇でお迎えします。
- ( 5 ) 日給月給制を採用し、欠勤時のみ日割り計算で減額します。
- ( 6 ) 繁忙期は日給を2,000円アップして、人員を確保しています。
日給の会話例
時給と日給の違いまとめ
時給と日給の最大の違いは、賃金計算の単位と柔軟性です。時給は時間単位での精密な計算が可能で、短時間勤務にも対応しやすい一方、日給は日単位でのシンプルな管理が可能で、フルタイム勤務を前提とした雇用に適しています。
適用業種も異なり、時給は小売業、飲食業、事務職などサービス業で多く、日給は建設業、製造業、イベント業など、1日単位で完結する業務で採用されます。収入の安定性では、日給の方が1日あたりの収入が保証される傾向があります。
企業は業務特性、労働時間の変動性、管理の効率性を考慮して選択する必要があります。また、労働者のニーズや地域の労働市場の状況も踏まえ、競争力のある賃金体系を構築することが重要です。
時給と日給の読み方
- 時給(ひらがな):じきゅう
- 時給(ローマ字):jikyuu
- 日給(ひらがな):にっきゅう
- 日給(ローマ字):nikkyuu