【満たす】と【満ちる】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

満たすと満ちるの分かりやすい違い
満たすと満ちるは、どちらも「いっぱいになる」という意味を持ちますが、文法的性質と使用場面に大きな違いがあります。
満たすは他動詞で、人が意図的に何かを充満させる行為を表します。「グラスに水を満たす」「条件を満たす」のように、主体が目的を持って行う動作です。一方、満ちるは自動詞で、自然に充満していく状態を表します。
「部屋に香りが満ちる」「月が満ちる」のように、自然な変化や状態を描写します。満たすは「〜を満たす」という形で目的語を必要とし、満ちるは「〜が満ちる」「〜に満ちる」という形で使われます。また、満たすは要求や基準の達成という抽象的な意味でも使われ、満ちるは空間的・時間的な充満を表すことが多いという違いもあります。
満たすとは?
満たすは他動詞で、人が意図的に容器や空間、条件などをいっぱいにする、充足させる行為を表す言葉です。
物理的には「コップに水を満たす」「部屋を人で満たす」のように、空間に物を充填する意味で使われます。抽象的には「条件を満たす」「要求を満たす」「心を満たす」など、基準や欲求を充足させる意味でも広く使用されます。満たすには目的意識があり、不足を補って完全な状態にするという積極的な行為が含まれます。
ビジネスでは「顧客ニーズを満たす」「品質基準を満たす」など、達成や充足の文脈で頻繁に使われます。また、「満たされない思い」のように受身形で使うことで、充足感の欠如を表現することもできます。意図的な充填行為と目標達成の両面を持つ、実用的で重要な動詞です。
満たすの例文
- ( 1 ) プールに水を満たすのに3時間かかりました。
- ( 2 ) すべての条件を満たす候補者を探しています。
- ( 3 ) お腹を満たすために、軽食を取りました。
- ( 4 ) 彼女の要求を満たすのは困難でした。
- ( 5 ) 心を満たす趣味を見つけることが大切です。
- ( 6 ) この製品は安全基準を満たしています。
満たすの会話例
満ちるとは?
満ちるは自動詞で、物や状態が自然に充満していく、いっぱいになっていく様子を表す言葉です。
「潮が満ちる」「月が満ちる」のような自然現象から、「部屋に香りが満ちる」「会場に熱気が満ちる」といった空間的な充満、「自信に満ちる」「活力に満ちる」といった内面的な充実まで、幅広く使われます。満ちるは徐々に充満していくプロセスを含意し、自然で有機的な変化を表現します。受動的で、外部からの作用というより内側から湧き上がるような充実感を表すことが多いです。
文学的表現では「希望に満ちた表情」「神秘に満ちた雰囲気」など、情景描写や心理描写に効果的に使われます。時間の経過と共に自然に充実していく様子を表す、詩的で豊かな表現力を持つ動詞です。
満ちるの例文
- ( 1 ) 朝になると、部屋に光が満ちてきました。
- ( 2 ) 彼の表情は自信に満ちていました。
- ( 3 ) 会場は観客の熱気に満ちていました。
- ( 4 ) 潮が満ちてきたので、海岸から離れましょう。
- ( 5 ) 月が満ちていく様子を毎晩観察しています。
- ( 6 ) 森は新緑の生命力に満ちていました。
満ちるの会話例
満たすと満ちるの違いまとめ
満たすは意図的に充満させる他動詞、満ちるは自然に充満する自動詞という文法的違いがあります。
満たすは能動的で目的達成的、満ちるは受動的で自然発生的です。
「条件を満たす」のような抽象的用法は満たす特有で、「月が満ちる」のような自然現象は満ちる特有の表現です。
満たすと満ちるの読み方
- 満たす(ひらがな):みたす
- 満たす(ローマ字):mitasu
- 満ちる(ひらがな):みちる
- 満ちる(ローマ字):michiru