【収益】と【純利益】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

【収益】と【純利益】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説 | イメージ画像

収益と純利益の分かりやすい違い

収益と純利益は、会社の業績を表す重要な数字ですが、その意味は大きく異なります。

収益は、会社が商品を売ったりサービスを提供したりして得た収入の総額です。例えば、1年間で1億円の売上があれば、収益は1億円です。純利益は、その収益から原価、人件費、家賃などすべての費用と税金を引いた、最終的に会社に残るお金です。

収益1億円でも、費用が9500万円かかれば純利益は500万円。つまり収益は稼いだ金額、純利益は手元に残った金額です。

収益とは?

収益とは、企業が事業活動を通じて得る経済的利益の流入全体を指し、主に売上高として認識されます。会計上、収益には本業による売上高のほか、受取利息、受取配当金、有価証券売却益などの営業外収益、固定資産売却益などの特別利益も含まれます。収益は企業の事業規模や市場でのプレゼンスを示す重要な指標です。

収益認識は会計の重要な原則の一つで、実現主義に基づいて計上されます。近年の収益認識基準では、顧客との契約における履行義務を充足した時点で収益を認識することが求められています。これにより、長期プロジェクトやサブスクリプションビジネスなどの収益認識がより精緻化されています。

収益の質と持続可能性は企業評価の重要な要素です。一時的な収益か継続的な収益か、本業による収益か否か、地域別・事業別の収益構成などが分析され、企業の成長性と安定性が評価されます。

収益の例文

  • ( 1 ) 今期の連結収益は過去最高の500億円を達成し、市場シェアが拡大しました。
  • ( 2 ) 新規事業の収益貢献により、収益構成の多様化が進展しています。
  • ( 3 ) 為替の円安効果により、海外収益が円換算で20%増加しました。
  • ( 4 ) サブスクリプション型への移行で、収益の予測可能性が大幅に向上しました。
  • ( 5 ) M&Aにより獲得した企業の収益が、連結収益を押し上げています。
  • ( 6 ) 収益成長率は業界平均を上回る15%を維持し、好調に推移しています。

収益の会話例

社長、収益は増えているのに純利益が伸びないのはなぜでしょうか?
コスト構造を分析する必要があります。売上原価や販管費の増加率が収益成長を上回っていないか確認しましょう。
収益1000億円で純利益10億円は少なすぎませんか?
純利益率1%は確かに低いです。業界平均と比較し、コスト削減や価格戦略の見直しが必要かもしれません。
純利益を増やすには収益を増やすしかないのでしょうか?
いいえ、コスト削減、業務効率化、税務戦略の最適化など、収益を維持したまま純利益を増やす方法もあります。

純利益とは?

純利益(当期純利益)とは、企業の一定期間における最終的な利益で、全ての収益から全ての費用、税金を差し引いた後に残る金額です。損益計算書の最下段に表示されることからボトムラインとも呼ばれ、株主に帰属する最終的な成果を表します。純利益は配当の原資となり、企業価値評価の基礎となる重要な指標です。

純利益の算出過程では、売上総利益から販管費を引いて営業利益を求め、営業外損益を加減して経常利益を算出し、特別損益を加減して税引前当期純利益を求め、最後に法人税等を差し引きます。この段階的な計算により、企業活動の各側面での収益性が明らかになります。

純利益率(純利益÷売上高)は企業の最終的な収益性を示し、業種により大きく異なりますが、一般的に製造業で3-5%、小売業で1-3%、IT企業で10-15%程度が目安です。純利益の安定的な確保と成長は、企業の持続可能性を示す最も重要な指標の一つです。

純利益の例文

  • ( 1 ) 今期の純利益は前年比30%増の50億円となり、過去最高益を更新しました。
  • ( 2 ) 純利益率が5%から7%に改善し、収益性の向上が顕著に表れています。
  • ( 3 ) 特別損失の計上により、純利益は一時的に減少しましたが、来期は回復見込みです。
  • ( 4 ) 純利益の50%を配当、30%を設備投資、20%を内部留保とする方針です。
  • ( 5 ) 四半期ごとの純利益が安定的に推移し、通期予想の達成が確実となりました。
  • ( 6 ) 税効果会計の適用により、純利益が約10%押し上げられる見込みです。

純利益の会話例

株主から純利益の割に株価が低いと指摘されました。どう説明しますか?
将来の成長性、収益の質、業界環境なども株価に影響します。成長戦略を明確に示すことが重要です。
収益は業界トップなのに純利益で負けているのはなぜですか?
規模の経済が働いていない可能性があります。事業の選択と集中、オペレーションの効率化が課題です。
純利益が黒字なのに倒産する会社があると聞きました。なぜですか?
キャッシュフローの問題です。売掛金回収の遅れや過度な在庫投資で資金ショートすることがあります。

収益と純利益の違いまとめ

収益と純利益の違いを理解することは、企業の真の実力を見極める上で不可欠です。収益は事業の規模を、純利益は経営の最終成果を示すという根本的な違いがあります。

実務では、収益成長と純利益確保のバランスが重要です。収益拡大のために過度な投資や値下げを行えば純利益が圧迫され、逆に純利益を重視しすぎて投資を控えれば将来の収益成長が損なわれる可能性があります。

投資判断では、収益の成長性と純利益の水準の両方を評価することが必要です。高収益でも純利益が少ない企業は効率性に問題があり、純利益率が高くても収益成長がない企業は将来性に懸念があると判断されます。

収益と純利益の読み方

  • 収益(ひらがな):しゅうえき
  • 収益(ローマ字):shuueki
  • 純利益(ひらがな):じゅんりえき
  • 純利益(ローマ字):junnrieki
  1. TOP
  2. 言葉の違い
  3. ビジネス
  4. 【収益】と【純利益】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説