【抑制】と【抑圧】の違いとは？例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

抑制と抑圧の分かりやすい違い

抑制と抑圧は、どちらも抑えることですが、方法と主体が異なります。

抑制は自分でコントロールすること、抑圧は外から押さえつけることです。

感情を「抑制」して冷静になり、独裁政権が国民を「抑圧」するという違いがあります。

抑制とは？

抑制とは、感情や衝動、行動などを自分の意志でコントロールし、適度に抑えることです。理性的な判断により、過度な反応や行動を防ぐ自己管理の一種です。社会生活を円滑に送るために必要な能力で、大人として求められる資質の一つです。医学的には、機能や反応を適度に抑えることも指します。

「感情を抑制する」「食欲を抑制する」「成長を抑制する」など、自発的なコントロールや自然な制限を表現します。ポジティブな自己管理として評価されることが多いです。

怒りの感情を抑える、暴飲暴食を控える、薬で症状を抑えるなど、適切な範囲に収める行為を表す時に使われる言葉です。

抑制の例文

( 1 ) 怒りの感情を抑制して冷静に話し合った。
( 2 ) ダイエットのため食欲を抑制している。
( 3 ) インフレを抑制する政策が必要だ。
( 4 ) アルコールの摂取を抑制するよう医師に言われた。
( 5 ) 感情を抑制できる人は大人だと思う。
( 6 ) 薬で痛みを抑制することができた。

抑制の会話例

「怒りたくなったら？」

「感情を抑制するようにしてる」

「食べ過ぎちゃう」

「食欲を抑制しないとね」

「薬の効果は？」

「症状を抑制できてるよ」

抑圧とは？

抑圧とは、権力や強い力によって、他者の自由や権利、感情などを強制的に押さえつけることです。独裁政権による言論統制、親による子供への過度な制限、心理的には無意識に感情を押し込めることも指します。否定的な意味で使われることが多く、健全な発展を妨げる行為として批判されます。

「言論を抑圧する」「感情を抑圧する」「抑圧された社会」など、強制的で不健全な押さえつけを表現します。心理学では精神的な問題の原因にもなります。

独裁国家での人権侵害、過度な規制、トラウマによる感情の封印など、不当な力で押さえつける状況を表す時に使われる否定的な言葉です。