【左遷】と【出向】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

左遷と出向の分かりやすい違い
左遷と出向は、会社での職場が変わることを表す言葉ですが、意味が大きく違います。
左遷は、失敗や問題を起こした人が、今より悪い条件の職場に移されることです。出向は、会社の都合で一時的に別の会社で働くことで、必ずしも悪いことではありません。
左遷は罰のような意味があり、出向はキャリアアップのチャンスになることもある、という違いがあります。
左遷とは?
左遷とは、それまでより地位や待遇が低下する不利な人事異動を指す言葉で、事実上の降格や懲罰的な意味合いを持つ異動です。
本社から地方支社への異動、重要部署から閑職への配置転換、決定権限の縮小など、キャリアにとってマイナスとなる異動を意味します。業績不振、社内政治での敗北、不祥事への関与などが原因となることが多く、対象者にとっては屈辱的で士気低下につながります。ただし、法的には通常の人事異動と区別がつかないため、パワーハラスメントとの境界が問題になることもあります。
組織内では公然と左遷という言葉は使われず、人事異動配置転換と表現されることが一般的です。
左遷の例文
- ( 1 ) 業績不振の責任を取らされ、本社から地方の営業所に左遷されました。
- ( 2 ) あの部長は社内の権力闘争に敗れ、実質的に左遷されたようです。
- ( 3 ) 左遷人事により優秀な人材が退職するリスクを考慮すべきです。
- ( 4 ) 左遷という言葉は使わず、新天地での活躍を期待と表現しました。
- ( 5 ) 左遷と受け取られないよう、異動の理由を丁寧に説明する必要があります。
- ( 6 ) 彼の異動は左遷ではなく、地方拠点強化のための戦略的配置です。
左遷の会話例
出向とは?
出向とは、雇用契約を維持したまま、命令により他の会社や団体で働くことを指す人事制度です。
在籍出向と転籍出向があり、在籍出向は元の会社に籍を残したまま出向先で勤務し、転籍出向は出向先に籍を移します。グループ会社間の人材交流、技術指導、経営支援、余剰人員の活用など、様々な目的で実施されます。出向は必ずしもネガティブではなく、キャリア開発や昇進の前段階として位置づけられることもあります。給与や処遇は出向協定により定められ、不利益にならないよう配慮されます。
労働者の同意が原則必要で、就業規則や労働協約に基づいて実施される正式な人事制度です。
出向の例文
- ( 1 ) 関連会社への出向命令を受けましたが、貴重な経験になりそうです。
- ( 2 ) 出向期間は2年間で、その後は本社への復帰が約束されています。
- ( 3 ) グループ会社への出向により、経営スキルを磨く機会を得ました。
- ( 4 ) 出向先での実績が評価され、本社復帰後に昇進しました。
- ( 5 ) 技術指導のための出向では、出向元が給与を負担するケースが多いです。
- ( 6 ) 出向契約書には、労働条件や指揮命令系統を明確に記載します。
出向の会話例
左遷と出向の違いまとめ
左遷と出向は、人事異動の性質と目的において根本的に異なります。
左遷は懲罰的でキャリアにマイナス、出向は戦略的で必ずしもマイナスではないという違いがあります。左遷は本人の意に反した不利益な異動、出向は会社の経営戦略に基づく計画的な人材活用です。
人事管理においては、出向制度の適切な運用と、左遷と受け取られない配慮が重要です。
左遷と出向の読み方
- 左遷(ひらがな):させん
- 左遷(ローマ字):sasenn
- 出向(ひらがな):しゅっこう
- 出向(ローマ字):shukkou