【裁量労働制】と【みなし残業】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

裁量労働制とみなし残業の分かりやすい違い
裁量労働制とみなし残業は、どちらも労働時間に関する制度ですが、仕組みが異なります。
裁量労働制は働き方の自由度を高める制度で、労働者が自分で労働時間を管理します。
みなし残業は残業代の支払い方法に関する制度で、一定の残業時間分の手当をあらかじめ給与に含めます。
裁量労働制とは?
裁量労働制とは、労働時間の配分や業務の進め方を労働者の裁量に委ねる制度です。実際の労働時間に関わらず、あらかじめ定められた時間(みなし労働時間)働いたものとして扱われます。
専門業務型と企画業務型の2種類があり、研究開発職、システムエンジニア、デザイナー、企画職などの職種で適用されることが多い制度です。労働者は自分のペースで仕事を進められる反面、長時間労働になりやすいという課題もあります。
「裁量労働制を導入する」「裁量労働制の対象職種」のように、柔軟な働き方を実現する制度として使用される言葉です。
裁量労働制の例文
- ( 1 ) 当社では来年度から研究開発部門に裁量労働制を導入する予定です。
- ( 2 ) 裁量労働制の適用により、エンジニアは自分のペースで開発作業を進められるようになった。
- ( 3 ) 裁量労働制を採用している企業では、成果主義の評価制度も併せて導入することが多い。
- ( 4 ) 新しい就業規則では、企画職も裁量労働制の対象職種に追加された。
- ( 5 ) 裁量労働制の下では、深夜や早朝の勤務も労働者の判断で行える。
- ( 6 ) 労働組合は裁量労働制の適用範囲拡大について慎重な姿勢を示している。
裁量労働制の会話例
みなし残業とは?
みなし残業とは、固定残業代制度とも呼ばれ、あらかじめ一定時間分の残業代を基本給や手当として支給する制度です。例えば「月30時間分の残業代を含む」という形で、実際の残業時間に関わらず固定額が支払われます。
実際の残業時間がみなし時間を超えた場合は、超過分の残業代を追加で支払う必要があります。企業にとっては人件費の予測がしやすく、労働者にとっては安定した収入が見込めるメリットがあります。
「みなし残業30時間込み」「みなし残業代を含む給与」のように、給与体系の一部として使用される言葉です。
みなし残業の例文
- ( 1 ) 求人票には基本給にみなし残業代40時間分が含まれると記載されていた。
- ( 2 ) みなし残業制度では、実際の残業が少なくても固定額が支給される。
- ( 3 ) みなし残業時間を超えた分については、別途残業代が支払われます。
- ( 4 ) 当社はみなし残業制度を廃止し、実労働時間に基づく給与体系に変更した。
- ( 5 ) みなし残業代込みの給与設定は、求職者にとって分かりにくいという指摘がある。
- ( 6 ) 労働基準監督署は、みなし残業制度の適正な運用について指導を強化している。
みなし残業の会話例
裁量労働制とみなし残業の違いまとめ
裁量労働制とみなし残業は、どちらも労働時間に関する制度ですが、その目的と仕組みは大きく異なります。
裁量労働制は働き方の自由度を高めることを目的とし、労働時間の管理を労働者に委ねます。一方、みなし残業は残業代の支払い方法に関する制度で、一定の残業代を固定的に支払います。
企業や労働者は、それぞれの制度の特徴を理解して適切に活用することが重要です。
裁量労働制とみなし残業の読み方
- 裁量労働制(ひらがな):さいりょうろうどうせい
- 裁量労働制(ローマ字):sairyouroudousei
- みなし残業(ひらがな):みなしざんぎょう
- みなし残業(ローマ字):minashizanngyou