【嘱託社員】と【パート】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

嘱託社員とパートの分かりやすい違い
嘱託社員とパートは、どちらも非正規雇用ですが、その雇用形態と対象者に大きな違いがあります。
嘱託社員は主に定年後の再雇用や専門職で、フルタイムに近い勤務が多く、パートは短時間勤務が中心で幅広い層が対象です。労働条件や待遇にも違いがあります。
人事管理において、この違いを理解することは、適切な雇用形態の選択と人材活用に重要です。
嘱託社員とは?
嘱託社員とは、期間を定めて雇用される非正規社員の一形態で、主に定年退職後の再雇用者や、特定の専門知識・技能を持つ人材が該当します。1年更新の有期雇用契約が一般的で、65歳までの継続雇用制度の受け皿として機能しています。正社員に準じた勤務時間で働くことが多いのが特徴です。
嘱託社員の待遇は、基本的に正社員より低く設定されますが、厚生年金や健康保険などの社会保険は適用されます。賞与や退職金は企業により異なり、正社員の5〜7割程度の給与水準が一般的です。専門性を活かした業務や、後進の指導・育成を担当することも多くあります。
企業にとって嘱託社員は、ベテランの知識・経験を活用しながら人件費を抑制できるメリットがあります。高齢者雇用安定法により、希望者全員の65歳までの雇用確保が義務化され、嘱託社員制度の重要性が増しています。
嘱託社員の例文
- ( 1 ) 定年後、嘱託社員として同じ会社で継続雇用されています。
- ( 2 ) 嘱託社員の契約更新面談で、来年度の業務内容を確認しました。
- ( 3 ) ベテラン社員の経験を活かすため、嘱託社員として再雇用しました。
- ( 4 ) 嘱託社員として週4日勤務し、ワークライフバランスを実現しています。
- ( 5 ) 専門知識を持つ嘱託社員が、若手社員の教育を担当しています。
- ( 6 ) 嘱託社員制度を見直し、処遇改善を図りました。
嘱託社員の会話例
パートとは?
パート(パートタイマー)とは、正社員より短い労働時間で働く労働者を指し、パートタイム労働法で1週間の所定労働時間が同一の事業所の通常の労働者より短い労働者と定義されています。主婦層を中心に、学生、高齢者など幅広い層が活用する雇用形態です。
パートの特徴は、勤務時間の柔軟性、扶養控除範囲内での就労(103万円、130万円の壁)、時給制が一般的なことです。週20時間以上勤務すれば社会保険加入対象となり、有給休暇も比例付与されます。業務内容は定型的な作業が中心ですが、経験を積めば責任ある業務を任されることもあります。
企業にとってパートは、繁忙期対応、人件費の変動費化、多様な人材活用の手段として重要です。同一労働同一賃金の推進により、正社員との不合理な待遇差の是正が求められています。
パートの例文
- ( 1 ) 週3日、1日5時間のパート勤務で働いています。
- ( 2 ) パートの時給を上げ、人材確保に努めています。
- ( 3 ) 扶養範囲内で働けるよう、パートのシフトを調整しています。
- ( 4 ) パートから正社員への登用制度を導入しました。
- ( 5 ) パートタイマーの有給休暇取得を促進しています。
- ( 6 ) パート社員の研修を充実させ、スキルアップを支援しています。
パートの会話例
嘱託社員とパートの違いまとめ
嘱託社員とパートの主な違いは、対象者と勤務形態にあります。嘱託社員は定年後のベテランが中心でフルタイム勤務が多く、パートは主婦層中心で短時間勤務が基本です。
専門性も異なり、嘱託社員は長年の経験や専門知識を活かした業務、パートは定型的な業務が中心です。給与体系も、嘱託は月給制、パートは時給制が一般的です。
企業の活用目的も、嘱託社員は知識・技術の継承、パートは労働力の柔軟な確保という違いがあります。それぞれの特性を理解した適材適所の配置が重要です。
嘱託社員とパートの読み方
- 嘱託社員(ひらがな):しょくたくしゃいん
- 嘱託社員(ローマ字):shokutakushainn
- パート(ひらがな):ぱーと
- パート(ローマ字):pa-to