【工事監理】と【工事監督】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

工事監理と工事監督の分かりやすい違い
工事監理と工事監督の違いを理解することは、建設プロジェクトを成功させるために重要です。
工事監理は設計図通りに建物が作られているかをチェックする仕事で、主に建築士が行います。一方、工事監督は実際の工事現場で作業員を指揮する仕事です。
この2つの役割を正しく使い分けることで、品質の高い建築物を完成させることができます。
工事監理とは?
工事監理とは、建築士法に基づいて建築士が行う業務で、設計図書と照合しながら工事が適正に実施されているかを確認する行為です。
発注者(建築主)の立場に立って、設計意図が正確に施工に反映されているか、建築基準法などの法令に適合しているかを第三者的な視点でチェックします。品質管理、工程管理、安全管理の観点から工事全体を俯瞰的に管理し、必要に応じて是正指示を行います。
工事監理者は設計者が兼務することが多く、建築物の品質確保において極めて重要な役割を担っています。
工事監理の例文
- ( 1 ) 当プロジェクトの工事監理業務は、設計を担当した○○建築設計事務所が引き続き行います。
- ( 2 ) 今回の病院建設では、工事監理者が医療機器の設置位置まで細かくチェックする必要があります。
- ( 3 ) 工事監理報告書によると、3階の配管工事に一部設計図との相違が見つかったようです。
- ( 4 ) 建築基準法により、この規模の建物では必ず工事監理者を置かなければなりません。
- ( 5 ) 毎週水曜日の工事監理者会議で、施工状況の確認と問題点の協議を行っています。
- ( 6 ) 工事監理者から指摘された耐震補強の件は、至急対応する必要があります。
工事監理の会話例
工事監督とは?
工事監督とは、施工会社(ゼネコンやサブコン)に所属する技術者が行う現場管理業務で、実際の工事作業を指揮・統括する役割を指します。
現場代理人や主任技術者として、作業員への指示出し、工程管理、安全管理、品質管理、原価管理など、工事現場の実務的な管理全般を担当します。発注者や設計者との調整、協力会社との打ち合わせ、資材の手配など、工事を円滑に進めるための様々な業務を行います。
工事監督は施工者側の立場で現場を管理し、工期内に安全かつ高品質な建築物を完成させる責任を負っています。
工事監督の例文
- ( 1 ) 新任の工事監督として、まずは現場の安全管理体制を見直したいと思います。
- ( 2 ) A工区の工事監督から、明日の生コン打設の人員配置について相談がありました。
- ( 3 ) 工事監督の判断で、雨天のため本日の外壁工事は中止となりました。
- ( 4 ) 各工区の工事監督は、毎朝8時の朝礼で作業員に安全指示を徹底してください。
- ( 5 ) ベテランの工事監督が急病のため、代理の監督を手配する必要があります。
- ( 6 ) 工事監督から協力会社への指示が不明確で、手戻り作業が発生してしまいました。
工事監督の会話例
工事監理と工事監督の違いまとめ
工事監理と工事監督は、どちらも建設工事において重要な管理業務ですが、立場と役割が大きく異なります。
工事監理は発注者側の立場で設計図通りの施工を確認する業務、工事監督は施工者側の立場で現場を実際に管理する業務です。建設プロジェクトでは、この両者が適切に機能することで、高品質な建築物が完成します。
それぞれの役割を正しく理解し、適切に使い分けることが、建設業界でのコミュニケーションを円滑にする鍵となります。
工事監理と工事監督の読み方
- 工事監理(ひらがな):こうじかんり
- 工事監理(ローマ字):koujikannri
- 工事監督(ひらがな):こうじかんとく
- 工事監督(ローマ字):koujikanntoku