【既に】と【とっくに】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

既にととっくにの分かりやすい違い
「既に」は「すでに」と読み、ある時点で物事が完了・実現していることを客観的に述べる表現で、フォーマルな場面で使われます。
一方「とっくに」は予想よりもかなり前に完了していることを強調する口語的な表現で、話者の感情や驚きを含みます。
「既に」は中立的で事実を淡々と述べ、「とっくに」は「もうずっと前に」という時間的な強調と、時に苛立ちや呆れを表す違いがあります。
既にとは?
「既に」は、ある時点において物事が完了している、実現している状態を表す副詞です。
「すでに」と読み、過去のある時点から現在まで継続している状態や、現在より前に完了した動作・状態を示します。文章語的で、ビジネス文書、報告書、ニュース記事などフォーマルな場面で多く使用されます。「既に完了しています」「既に知っている」のように、客観的な事実を淡々と述べる際に適しています。
時間的な前後関係を明確にし、情報を正確に伝える必要がある場面で重宝される表現です。感情的な色彩を含まず、中立的な立場から事実を述べる際に選ばれる、格式のある表現として認識されています。
既にの例文
- ( 1 ) 会議は既に始まっています
- ( 2 ) その件は既に解決済みです
- ( 3 ) 彼は既に帰宅しました
- ( 4 ) 既に予約でいっぱいです
- ( 5 ) 申請は既に受理されています
- ( 6 ) 既にご存知かもしれませんが
既にの会話例
とっくにとは?
「とっくに」は、予想や期待よりもかなり前に、ずっと前に物事が完了していることを強調する副詞です。「疾うに」が変化した口語表現で、日常会話でよく使われます。
単に時間的な前後関係を示すだけでなく、「もうずいぶん前に」「とうの昔に」という時間的な隔たりの大きさを強調します。また、相手が今頃気づいたことに対する呆れや、遅すぎることへの苛立ちなど、話者の感情を含むことが多いです。
「とっくに終わっている」「とっくに知っている」のように使い、相手の認識の遅さを暗に指摘する場合もあります。親しい間柄での会話や、感情を込めて話す場面に適した、くだけた表現です。
とっくにの例文
- ( 1 ) とっくに終わってるよ
- ( 2 ) そんなことはとっくに知ってる
- ( 3 ) 彼ならとっくに帰ったよ
- ( 4 ) とっくに締切過ぎてるじゃない
- ( 5 ) その店はとっくに閉店したよ
- ( 6 ) とっくに諦めていました
とっくにの会話例
既にととっくにの違いまとめ
「既に」と「とっくに」は、どちらも過去に完了したことを表しますが、文体と感情の有無が大きく異なります。「既に」はフォーマルで客観的、事実を中立的に述べる表現です。
一方「とっくに」は口語的で主観的、時間的な隔たりの大きさと話者の感情を強調します。ビジネスや公的な場では「既に」、日常会話では「とっくに」が適切です。
「既に」は淡々とした報告、「とっくに」は「もうずっと前だよ」という強調や、時には苛立ちを表現する際に使い分けます。
既にととっくにの読み方
- 既に(ひらがな):すでに
- 既に(ローマ字):sudeni
- とっくに(ひらがな):とっくに
- とっくに(ローマ字):tokkuni