【壊す】と【毀す】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

壊すと毀すの分かりやすい違い
壊すは物理的に物を破壊する行為全般を表す一般的な表現で、建物から小物まで幅広く使用されます。
毀すも同じ読み方で同様の意味を持ちますが、より文語的で、価値あるものを台無しにする、名誉や評判を傷つけるという抽象的な意味でも使われます。
壊すは日常的で具体的、毀すは文学的で抽象的な破壊も含むという違いがあります。
壊すとは?
壊すは、物理的に物を破壊したり、機能しなくなるようにしたりする行為を表す最も一般的な動詞です。
「壊」という漢字は土と衣から成り、もともとは衣服がほころびる意味から発展しました。建物を壊す、機械を壊す、おもちゃを壊すなど、大小さまざまな物に対して使用できます。意図的な破壊だけでなく、不注意による破損も含みます。また、「体を壊す」「関係を壊す」のように、抽象的な対象にも使われます。
日常会話からビジネス文書まで幅広く使用され、現代日本語で最も標準的な「こわす」の表記です。
壊すの例文
- ( 1 ) 子供が誤っておもちゃを壊してしまいました。
- ( 2 ) 古い建物を壊して、新しいビルを建設します。
- ( 3 ) パソコンを壊さないように、丁寧に扱ってください。
- ( 4 ) 無理をして体を壊したら、元も子もありません。
- ( 5 ) 信頼関係を壊すのは簡単ですが、築くのは困難です。
- ( 6 ) 地震で多くの家屋が壊されました。
壊すの会話例
毀すとは?
毀すは、壊すと同じ「こわす」と読みますが、より文語的で格調高い表現です。
「毀」という漢字は、臼(うす)と土から成り、すりつぶして粉々にする意味を持ちます。物理的な破壊を表すほか、「名誉を毀す」「信用を毀す」のように、価値あるものを台無しにする、評判を傷つけるという抽象的な意味で使われることが多い特徴があります。また「毀損(きそん)」「毀誉褒貶(きよほうへん)」などの熟語にも使われます。
文学作品や格式ある文章で好まれ、日常会話ではあまり使用されません。
毀すの例文
- ( 1 ) 彼の軽率な発言が、長年築いた信用を毀した。
- ( 2 ) その記事は彼女の名誉を著しく毀すものだった。
- ( 3 ) 文化財を毀す行為は、決して許されない。
- ( 4 ) 一度毀された評判を回復するのは容易ではない。
- ( 5 ) 貴重な芸術作品を毀すなど、言語道断である。
- ( 6 ) その噂は会社の信頼を毀すに十分だった。
毀すの会話例
壊すと毀すの違いまとめ
壊すと毀すは同じ「こわす」と読む同義語ですが、使用場面と含意に違いがあります。
壊すは日常的で幅広い破壊行為を表し、毀すは文語的で、特に価値あるものの破壊や抽象的な損傷を表す際に使われます。
一般的な文章では壊すを使い、文学的効果や品格を求める場合、また名誉や信用などの抽象的対象には毀すを選ぶとよいでしょう。
壊すと毀すの読み方
- 壊す(ひらがな):こわす
- 壊す(ローマ字):kowasu
- 毀す(ひらがな):こわす
- 毀す(ローマ字):kowasu