【始末書】と【顛末書】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

始末書と顛末書の分かりやすい違い
始末書と顛末書は、どちらも問題が起きたときに書く文書ですが、目的と内容が違います。始末書は、自分のミスや不祥事を反省し、謝罪する文書です。
顛末書は、何が起きたかを時系列で詳しく説明する報告書です。
始末書は反省文、顛末書は経過報告書と覚えると分かりやすいでしょう。
始末書とは?
始末書とは、業務上の重大なミスや規則違反、不祥事などを起こした際に、本人が事実を認め、深く反省し、謝罪の意を表明する文書です。懲戒処分の一環として提出を求められることが多く、人事記録に残る可能性があります。単なる報告書ではなく、自己の責任を認識し、再発防止を誓約する性格を持ちます。
始末書には、発生した問題の概要、原因、自己の責任、反省の弁、今後の改善策、謝罪の言葉などを記載します。深くお詫び申し上げます、二度とこのようなことがないよう誓約いたしますなど、反省と謝罪の表現が必須です。
提出後、減給や降格などの処分が下される場合もあります。始末書の提出は、就業規則違反や重大な過失があった場合に限られ、軽微なミスでは求められません。労働者の人格や尊厳を傷つけるような始末書の強要は、パワーハラスメントに該当する可能性があります。
始末書の例文
- ( 1 ) 重大な情報漏洩について、始末書を提出し、深く反省しております。
- ( 2 ) 始末書の提出とともに、3ヶ月の減給処分を受けました。
- ( 3 ) 部下に始末書を書かせる前に、事実確認を慎重に行います。
- ( 4 ) 始末書に記載した再発防止策を、確実に実行していきます。
- ( 5 ) 過去に始末書を提出した経験から、コンプライアンスの重要性を痛感しました。
- ( 6 ) 始末書の書き方について、人事部からフォーマットが示されました。
始末書の会話例
顛末書とは?
顛末書とは、トラブルや事故、ミスなどが発生した際に、その経緯や原因、対応状況を時系列で客観的に報告する文書です。事実関係の整理と情報共有を目的とし、個人の反省や謝罪は含みません。組織として問題を把握し、再発防止策を検討するための基礎資料となります。
顛末書では、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように(5W1H)を明確にし、感情を交えず事実のみを記載します。発生時刻、関係者、具体的な状況、取った対応、現在の状態などを詳細に記録します。原因分析や改善提案を含む場合もありますが、あくまで客観的な視点を保ちます。
システム障害、顧客クレーム、事故などの際に作成され、上司や関係部署への報告に使用されます。顛末書は懲戒処分とは直接関係なく、問題解決と業務改善のためのツールとして活用されます。
顛末書の例文
- ( 1 ) システム障害についての顛末書を作成し、技術部門で共有しました。
- ( 2 ) 顧客クレームの顛末書をもとに、サービス改善策を検討します。
- ( 3 ) 事故の顛末書を詳細に記載し、労働基準監督署に提出しました。
- ( 4 ) 顛末書の内容を分析し、業務プロセスの見直しを行いました。
- ( 5 ) プロジェクト遅延の顛末書から、課題が明確になりました。
- ( 6 ) 定期的に顛末書を見直し、同様の問題が起きていないか確認しています。
顛末書の会話例
始末書と顛末書の違いまとめ
始末書と顛末書の最大の違いは、文書の性質と目的です。始末書は反省と謝罪を含む懲戒関連文書、顛末書は客観的な事実報告書です。
始末書は個人の責任追及と処分に関わり、顛末書は組織の問題把握と改善に焦点を当てます。提出を求められた場合、どちらを書くべきか確認することが重要です。
両文書とも再発防止に役立ちますが、アプローチが異なるため、状況に応じた使い分けが必要です。
始末書と顛末書の読み方
- 始末書(ひらがな):しまつしょ
- 始末書(ローマ字):shimatsusho
- 顛末書(ひらがな):てんまつしょ
- 顛末書(ローマ字):tennmatsusho