【分限処分】と【懲戒処分】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

分限処分と懲戒処分の分かりやすい違い
分限処分は、公務員としての適格性を欠く場合に、その地位を失わせるために行われる処分です。
懲戒処分は、公務員の義務違反行為に対する制裁として行われる処分です。分限処分は、公務員の能力や適格性に着目するのに対し、懲戒処分は、公務員の義務違反行為に着目します。
分限処分は、公務員の地位を失わせることを目的とするのに対し、懲戒処分は、公務員の義務違反行為に対する制裁を目的とします。
分限処分とは?
分限処分は、公務員としての適格性を欠く場合に、その地位を失わせるために行われる処分です。具体的には、心身の故障のために職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合、勤務実績が著しく不良で、改善の見込みがない場合などに行われます。
分限処分の種類には、免職、休職、降任、降給などがあります。分限処分は、公務員の能力や適格性に着目して行われるのが特徴です。
懲戒処分が、公務員の義務違反行為に対する制裁として行われるのとは異なります。分限処分は、公務員の地位を失わせることを目的とするのに対し、懲戒処分は、公務員の義務違反行為に対する制裁を目的とします。
分限処分の例文
- ( 1 ) 公務員Aは、長期間の病気療養により職務に復帰できなくなったため、分限免職処分を受けた。
- ( 2 ) 公務員Bは、勤務成績が著しく不良で、改善の見込みがないと判断されたため、分限降任処分を受けた。
- ( 3 ) 公務員Cは、心身の故障により職務の遂行に支障があると認められたため、分限休職処分を受けた。
- ( 4 ) 公務員Dは、外部団体への違法な利益供与が発覚し、公務員としての適格性を欠くと判断されたため、分限免職処分を受けた。
- ( 5 ) 公務員Eは、勤務態度が不良で、上司の指導に従わないため、分限降給処分を受けた。
- ( 6 ) 公務員Fは、虚偽の報告により業務に支障をきたしたため、公務員としての適格性を欠くと判断され、分限免職処分を受けた。
分限処分の会話例
懲戒処分とは?
懲戒処分は、公務員の義務違反行為に対する制裁として行われる処分です。具体的には、法令違反、職務上の義務違反、信用失墜行為などがあった場合に行われます。
懲戒処分の種類には、戒告、減給、停職、免職などがあります。懲戒処分は、公務員の義務違反行為に着目して行われるのが特徴です。分限処分が、公務員の能力や適格性に着目して行われるのとは異なります。
懲戒処分は、公務員の義務違反行為に対する制裁を目的とするのに対し、分限処分は、公務員の地位を失わせることを目的とします。懲戒処分は、公務員の服務規律の維持と公務に対する国民の信頼確保を図ることを目的としています。
懲戒処分の例文
- ( 1 ) 公務員Gさん、職務上知り得た秘密を漏らしたことが明らかになりました。懲戒減給処分を行うことになりました。
- ( 2 ) 公務員Hは、公金を横領したため、懲戒免職処分を受けた。
- ( 3 ) 公務員Iは、セクシャルハラスメントを行ったため、懲戒停職処分を受けた。
- ( 4 ) 公務員Jは、交通事故を起こし、公務員としての信用を失墜させたため、懲戒戒告処分を受けた。
- ( 5 ) 公務員Kは、勤務時間中に無断で職場を離れていたため、懲戒減給処分を受けた。
- ( 6 ) 公務員Lは、収賄の事実が明らかになり、懲戒免職処分を受けた。
懲戒処分の会話例
分限処分と懲戒処分の違いまとめ
分限処分と懲戒処分は、ともに公務員に対する不利益処分ですが、その目的と着目点が異なります。分限処分は、公務員の能力や適格性に着目し、公務員としての地位を失わせることを目的とします。
懲戒処分は、公務員の義務違反行為に着目し、その行為に対する制裁を目的とします。分限処分は、心身の故障や勤務実績不良などを理由に行われるのに対し、懲戒処分は、法令違反や職務上の義務違反などを理由に行われます。
両者は、公務の適正な運営と公務に対する国民の信頼確保を図るための重要な手段ですが、その性質と目的を踏まえて適切に運用される必要があります。
分限処分と懲戒処分の読み方
- 分限処分(ひらがな):ぶんげんしょぶん
- 分限処分(ローマ字):bungenshobun
- 懲戒処分(ひらがな):ちょうかいしょぶん
- 懲戒処分(ローマ字):chōkaishobun