【ROIC】と【ROE】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説
ROICとROEの分かりやすい違い
ROICとROEは、どちらも企業の収益性を測る重要な指標ですが、分母となる資本の範囲が異なります。
ROICは借入金も含めた投資資金全体に対する儲け、ROEは株主のお金だけに対する儲けを示します。
この違いを理解することで、企業の真の実力と財務戦略の巧拙を正確に評価できるようになります。
ROICとは?
ROIC(Return on Invested Capital:投下資本利益率)とは、企業が事業活動に投下した資本全体に対して、どれだけの利益を生み出したかを示す指標です。計算式は税引後営業利益÷投下資本で、投下資本には株主資本と有利子負債の両方が含まれます。例えば、100億円の資本(株主資本60億円+借入40億円)で10億円の営業利益を生めば、ROICは10%となります。
経営者や投資家にとって、ROICは事業の本質的な収益力を示す重要指標です。財務レバレッジの影響を受けないため、異なる資本構成の企業間でも公平に事業効率を比較できます。また、ROICが資本コスト(WACC)を上回れば、企業価値が創造されていると判断できます。
特に重要なのは、ROICが経営の実力を純粋に反映することです。借入を増やしてもROICは変わらないため、本業の改善なしには向上しません。事業ポートフォリオの見直し、資産効率の改善、利益率向上などの本質的な経営改革が必要となります。
ROICの例文
- ( 1 ) 各事業部門のROICを算出し、資本配分の最適化を進めています。
- ( 2 ) ROICが資本コスト(8%)を上回る10%を達成し、企業価値創造を実現しました。
- ( 3 ) M&A後のROIC改善計画を策定し、3年で12%達成を目指します。
- ( 4 ) ROIC経営を導入し、全社員が資本効率を意識する文化を醸成しています。
- ( 5 ) 低ROIC事業からの撤退により、全社ROICが2ポイント改善しました。
- ( 6 ) ROIC向上のため、運転資本の圧縮と固定資産の効率化を推進中です。
ROICの会話例
ROEとは?
ROE(Return on Equity:自己資本利益率)とは、株主が出資した資本に対して、企業がどれだけの利益を生み出したかを示す指標です。計算式は当期純利益÷自己資本で、株主にとっての投資効率を表します。例えば、自己資本100億円で純利益15億円なら、ROEは15%です。
日本企業の平均は8-10%程度で、欧米企業の15-20%と比べて低い傾向があります。株式投資において、ROEは最も注目される財務指標の一つです。伊藤レポートでは8%以上が推奨され、多くの機関投資家が投資判断の基準としています。高ROE企業は効率的に株主価値を創造していると評価され、株価も高く評価される傾向があります。
注意すべきは、ROEが財務レバレッジ(借入)により押し上げ可能なことです。同じ事業収益力でも、借入を増やせばROEは上昇します。このため、ROEだけでなく、自己資本比率や有利子負債比率と併せて評価することが重要です。
ROEの例文
- ( 1 ) ROE15%を中期経営計画の目標に掲げ、株主価値向上に取り組んでいます。
- ( 2 ) 自社株買いによりROEが18%に上昇し、投資家から高い評価を得ました。
- ( 3 ) ROEの3要素(利益率・回転率・レバレッジ)を分析し、改善策を実施しています。
- ( 4 ) 同業他社とのROE比較により、当社の課題が利益率にあることが判明しました。
- ( 5 ) 配当性向を高めてもROEは変わらないため、事業収益力の向上に注力します。
- ( 6 ) ROE重視経営により、株価が3年間で2倍に上昇しました。
ROEの会話例
ROICとROEの違いまとめ
ROICとROEの決定的な違いは、評価する資本の範囲です。ROICは総資本の効率性、ROEは株主資本の効率性を測ります。経営評価では使い分けが重要で、ROICは事業責任者の評価に、ROEは経営者全体の評価に適しています。
ROICが高くてもROEが低い場合は、資本構成の見直しが必要かもしれません。理想的には両指標とも高いことですが、ROICを維持しながら適切なレバレッジでROEを高めることが、持続可能な企業価値創造につながります。
デュポン分析により、ROEをROICと財務レバレッジに分解して理解することも有効です。
ROICとROEの読み方
- ROIC(ひらがな):あーるおーあいしー
- ROIC(ローマ字):a-ruo-aishi-
- ROE(ひらがな):あーるおーいー
- ROE(ローマ字):a-ruo-i-