【当社】と【弊社】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

当社と弊社の分かりやすい違い
当社と弊社は、どちらも自分の会社を指す言葉ですが、その敬語レベルと使用場面に大きな違いがあります。
当社は中立的な表現で社内文書や対等な取引先に使用し、弊社は謙譲語で社外の顧客や目上の相手に使用します。相手との関係性や状況に応じた使い分けが必要です。
ビジネスコミュニケーションにおいて、この違いを理解することは、適切な敬語使用と円滑な関係構築に不可欠です。
当社とは?
当社とは、自分が所属する会社を指す一般的な表現で、特に謙遜や尊大さを含まない中立的な言葉です。社内文書、プレスリリース、IR資料、契約書などの公式文書や、対等な立場の取引先とのやり取りで使用されます。わが社よりもフォーマルで、弊社よりもニュートラルな印象を与えます。
当社の使用場面は、社内会議での発言、決算説明会、株主総会、メディア向け発表、ウェブサイトの会社案内などです。また、グループ会社間のやり取りや、長年の取引先との間でも使用されます。客観的な事実を述べる際や、会社の公式見解を示す場合に適しています。
注意点として、初対面の顧客や目上の取引先には使用を避け、弊社を選ぶべきです。また、話し言葉ではうちの会社という表現もありますが、ビジネス文書では当社を使用する方が適切です。
当社の例文
- ( 1 ) 当社の新製品は、業界初の技術を搭載しています。
- ( 2 ) 決算説明会において、当社の業績について報告いたします。
- ( 3 ) 当社規定により、個人情報の取り扱いには十分注意しております。
- ( 4 ) プレスリリースで当社の新サービスを発表しました。
- ( 5 ) 当社と貴社の長年のパートナーシップに感謝申し上げます。
- ( 6 ) IR資料に記載の通り、当社の成長戦略を推進してまいります。
当社の会話例
弊社とは?
弊社とは、自分の会社を謙遜して表現する謙譲語で、相手に敬意を示す場合に使用します。顧客への提案書、お詫び文、初回商談、目上の取引先とのやり取りなど、相手を立てる必要がある場面で用いられます。小さい、劣ったという意味の弊を使うことで、へりくだった姿勢を示します。
弊社の適切な使用場面は、営業活動での顧客対応、クレーム対応、新規取引の申し入れ、ビジネスレターなどです。特に、サービス業や営業職では頻繁に使用されます。メールの署名や名刺の肩書きでも弊社営業部のように使われることがあります。
過度な使用は卑屈な印象を与える可能性があるため、状況に応じた判断が必要です。また、社内文書や同僚との会話で弊社を使うのは不自然です。プレゼンテーションでは、冒頭は弊社、その後は当社に切り替えるという使い方もあります。
弊社の例文
- ( 1 ) 弊社の不手際により、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
- ( 2 ) 弊社製品にご興味をお持ちいただき、ありがとうございます。
- ( 3 ) 弊社担当者より、改めてご連絡させていただきます。
- ( 4 ) この度は弊社にお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
- ( 5 ) 弊社サービスの詳細について、ご説明の機会をいただければ幸いです。
- ( 6 ) 弊社一同、貴社のご期待に応えられるよう努力してまいります。
弊社の会話例
当社と弊社の違いまとめ
当社と弊社の最大の違いは、敬語のレベルと相手への配慮の度合いです。当社は中立的で対等な関係、弊社は謙譲的で相手を立てる関係で使用します。
使い分けの基準は、相手との関係性(初対面/既存)、立場(顧客/仕入先)、文書の種類(社内/社外)などです。一般的に、売る側は弊社、買う側は当社を使う傾向があります。
適切な使い分けにより、ビジネスマナーを守りながら、相手との良好な関係を築くことができます。迷った場合は、弊社を使う方が無難ですが、過度な謙遜は避けるべきです。
当社と弊社の読み方
- 当社(ひらがな):とうしゃ
- 当社(ローマ字):tousha
- 弊社(ひらがな):へいしゃ
- 弊社(ローマ字):heisha