【SIer】と【SE】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

SIerとSEの分かりやすい違い
SIerとSEは、IT業界でよく使われる言葉ですが、会社と職種という違いがあります。
SIerはシステムを作る会社、SEはシステムを作る技術者です。
就職先がSIer、職種がSEというように、全く異なる概念であることを理解しましょう。
SIerとは?
SIer(エスアイヤー)とは、System Integratorの略で、顧客企業のシステム開発・構築・運用を一括して請け負う企業を指します。日本独特のIT産業構造で、NTTデータ、富士通、日立などの大手から、中小規模まで多数存在します。要件定義から設計、開発、テスト、保守まで、システム開発の全工程を担当します。
SIerは、プライム(元請け)と下請けの多重構造になっており、大規模プロジェクトでは複数のSIerが協力します。ビジネスモデルは、人月単価での請負や派遣が中心で、プロジェクト規模により収益が決まります。最近では、クラウド化やDXコンサルティングなど、新しいサービスも展開しています。
SIerで働く魅力は、大規模システム開発の経験、安定した経営基盤、充実した教育制度です。一方で、多重下請け構造による利益率の低下、新技術への対応の遅れなどの課題もあります。年収は企業規模により400万~800万円程度が一般的です。
SIerの例文
- ( 1 ) 大手SIerでプライム案件のプロジェクトマネージャーとして、50名規模のチームを統括しています。
- ( 2 ) 中堅SIerで金融系システムの開発を専門に手がけており、銀行の基幹システム更新を担当しました。
- ( 3 ) 独立系SIerとして、特定のベンダーに縛られない最適なソリューション提案を強みにしています。
- ( 4 ) SIerからコンサルティングファームに転職し、IT戦略の立案を担当しています。
- ( 5 ) 外資系SIerで働いており、グローバルプロジェクトでの開発手法を学んでいます。
- ( 6 ) SIerでの下請け経験を活かし、自社サービス開発を行うベンチャーを立ち上げました。
SIerの会話例
SEとは?
SE(システムエンジニア)とは、コンピューターシステムの設計・開発・運用を行う技術者の職種です。プログラマーが実装を担当するのに対し、SEは要件定義、基本設計、詳細設計など上流工程を中心に担当します。顧客との打ち合わせ、仕様書作成、プロジェクト管理など、技術力とコミュニケーション能力の両方が求められます。
SEのキャリアパスは多様で、技術を極めるスペシャリスト、プロジェクトマネージャー、ITコンサルタントなどがあります。働く場所も、SIer、事業会社のIT部門、フリーランスなど選択肢が豊富です。最近では、クラウドエンジニア、データエンジニア、AIエンジニアなど、専門分野も細分化しています。
SEに必要なスキルは、プログラミング基礎、システム設計力、問題解決能力、プロジェクト管理能力です。資格も重視され、基本情報技術者、応用情報技術者などの取得が推奨されます。年収は経験により300万~1000万円以上と幅広く、スキル次第で高収入も可能です。
SEの例文
- ( 1 ) SEとして要件定義から基本設計まで、上流工程を中心に担当しています。
- ( 2 ) 社内SEとして、自社の業務システムの企画・開発・運用を一手に引き受けています。
- ( 3 ) フリーランスSEとして、複数のプロジェクトを掛け持ちしながら高収入を実現しています。
- ( 4 ) SEからプロジェクトマネージャーにキャリアアップし、大規模案件を任されるようになりました。
- ( 5 ) Web系企業のSEとして、アジャイル開発で日々新機能をリリースしています。
- ( 6 ) SEとして10年の経験を積み、ITコンサルタントへのキャリアチェンジを果たしました。
SEの会話例
SIerとSEの違いまとめ
SIerとSEは、会社と職種という全く異なる概念です。SIerという会社で、SEという職種で働くというのが一般的な関係です。
IT業界を目指すなら、まず自分がSEという職種に向いているか考え、次にどのようなSIerで働きたいか検討しましょう。
最近では、SIerではなく事業会社でSEとして働く選択肢も増えており、キャリアの幅が広がっています。
SIerとSEの読み方
- SIer(ひらがな):えすあいやー
- SIer(ローマ字):esuaiya-
- SE(ひらがな):えすいー
- SE(ローマ字):esuī