【ses】と【派遣】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

SESと派遣の分かりやすい違い
SESと派遣は、どちらも客先で働く形態ですが、契約の仕組みと働き方が大きく異なります。
SES(システムエンジニアリングサービス)は、IT企業が技術者を客先に常駐させて技術力を提供する契約で、指揮命令は所属会社から受けます。派遣は、派遣会社から派遣先企業に労働者を送り、派遣先の指示で働く形態です。
つまり、SESは技術提供サービス、派遣は労働力の提供という違いがあり、誰の指示で働くかが最大の違いです。
SESとは?
SES(System Engineering Service)とは、IT企業が自社のエンジニアを顧客企業に常駐させ、技術的なサービスを提供する契約形態です。準委任契約に基づき、成果物の完成責任は負わず、技術力や労働力の提供が主目的となります。エンジニアは客先で作業しますが、指揮命令権は所属するSES企業にあり、勤怠管理や業務指示も自社から受けます。
SESの特徴は、プロジェクト単位での契約が多く、3ヶ月や6ヶ月などの期間で更新されることです。エンジニアは様々な企業のプロジェクトに参画でき、幅広い経験を積めるメリットがあります。一方で、客先常駐による帰属意識の希薄化、スキルアップの機会の偏り、キャリアパスの不明確さなどの課題もあります。
SES企業では、エンジニアの技術力向上、待遇改善、キャリア支援が重要な経営課題となっています。また、単なる人材提供から、付加価値の高いソリューション提供へのシフトを図る企業も増えています。適切な契約管理と法令遵守も、SESビジネスの重要な要素です。
SESの例文
- ( 1 ) SES契約により、優秀なエンジニアを顧客プロジェクトに参画させています。
- ( 2 ) SESエンジニアとして、大手企業の基幹システム開発に携わっています。
- ( 3 ) SES企業として、エンジニアのスキルアップ研修を定期的に実施しています。
- ( 4 ) 客先常駐のSES社員も、自社の会議にはリモートで参加してもらっています。
- ( 5 ) SES契約の更新時に、単価アップの交渉を行いました。
- ( 6 ) SESから請負契約への移行により、より主体的なプロジェクト運営が可能になりました。
SESの会話例
派遣とは?
派遣とは、派遣元企業(派遣会社)と雇用契約を結んだ労働者が、派遣先企業で派遣先の指揮命令を受けて働く雇用形態です。労働者派遣法に基づき、派遣元、派遣先、派遣労働者の三者関係で成立します。派遣期間は最長3年(一部例外あり)で、同一組織単位での継続就業には制限があります。
派遣の種類には、登録型派遣(一般派遣)と常用型派遣(特定派遣)があり、職種も事務職、技術職、専門職など多岐にわたります。派遣労働者のメリットは、様々な企業での就業経験、ワークライフバランスの実現、正社員登用の可能性などです。一方、雇用の不安定さ、キャリア形成の難しさなどの課題もあります。
2020年の派遣法改正により、同一労働同一賃金が導入され、派遣労働者の待遇改善が図られています。派遣会社は、適切なマッチング、スキルアップ支援、福利厚生の充実、コンプライアンスの徹底が求められています。
派遣の例文
- ( 1 ) IT人材不足を補うため、派遣エンジニアを3名採用しました。
- ( 2 ) 派遣社員の正社員登用制度により、優秀な人材を確保できました。
- ( 3 ) 派遣契約の3年ルールに対応するため、業務体制を見直しています。
- ( 4 ) 派遣スタッフへの教育訓練により、業務効率が向上しました。
- ( 5 ) 同一労働同一賃金に基づき、派遣社員の待遇を改善しました。
- ( 6 ) 派遣会社との連携を強化し、ミスマッチを減らす取り組みを始めました。
派遣の会話例
SESと派遣の違いまとめ
SESと派遣の違いを理解することは、IT業界での適切な契約選択や働き方の決定に重要です。SESは準委任契約で指揮命令権が自社、派遣は派遣契約で指揮命令権が派遣先という根本的な違いがあります。
実務では、プロジェクトの性質や必要なスキル、管理体制により使い分けられます。SESは技術的な専門性が求められる長期プロジェクトに、派遣は明確な業務指示が必要な短期的な人材補充に適しています。
働く側にとっても、SESは所属企業との関係性を保ちながら客先経験を積め、派遣は多様な企業文化を経験できるという違いがあります。自身のキャリアプランに応じた選択が重要です。
SESと派遣の読み方
- SES(ひらがな):えすいーえす
- SES(ローマ字):esui-esu
- 派遣(ひらがな):はけん
- 派遣(ローマ字):hakenn