【拝借】と【借用】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

拝借と借用の分かりやすい違い
拝借と借用は、どちらも物を借りることを意味しますが、敬語レベルが異なります。
拝借は謙譲語で、目上の人から借りる際の丁寧な表現です。
借用は一般的な表現で、ビジネス文書で広く使われる中立的な言葉です。
拝借とは?
拝借とは、「借りる」の謙譲語で、自分の行為をへりくだって表現する敬語です。主に目上の人や取引先から物品や資料を借りる際に使用します。「拝」という文字には「つつしんで」という意味があり、相手に敬意を示しながら借りることを表現します。ビジネスメールや口頭での依頼で使われます。
拝借は、相手との上下関係を意識した表現のため、同僚や部下に対しては使いません。また、お金を借りる場合には一般的に使用せず、物品や資料、場所などを借りる際に用いられます。返却時には「拝借いたしました○○をお返しします」のように使います。
「資料を拝借する」「お時間を拝借する」のように、目上の人から何かを借りる際の敬語表現として使用される言葉です。
拝借の例文
- ( 1 ) 部長から参考資料を拝借して、企画書を作成しました。
- ( 2 ) お忙しい中、貴重なお時間を拝借し、誠にありがとうございました。
- ( 3 ) 先輩のノートパソコンを拝借してもよろしいでしょうか。
- ( 4 ) 拝借した書籍は、明日必ずお返しいたします。
- ( 5 ) 社長室から会社の歴史資料を拝借することができました。
- ( 6 ) 恐れ入りますが、御社のカタログを拝借できませんでしょうか。
拝借の会話例
借用とは?
借用とは、他人の物を一定期間借りて使用することを表す一般的な言葉です。ビジネス文書、契約書、借用書などの公式文書で広く使用される、中立的で堅い表現です。敬語ではないため、相手の立場に関係なく使用でき、組織内外のあらゆる場面で活用されます。
借用は、物品だけでなく、施設、設備、権利なども対象となります。「借用書」「借用期間」「借用物」など、複合語としても多用されます。法的な文書では「借用」が標準的に使用され、責任の所在や返却条件を明確にする際に重要な用語となります。
「備品を借用する」「会議室を借用する」のように、ビジネスシーンで物や場所を借りることを表現する際に使用される言葉です。
借用の例文
- ( 1 ) プロジェクターを総務部から借用して、プレゼンを行います。
- ( 2 ) 借用書に必要事項を記入し、備品管理部門に提出してください。
- ( 3 ) 他部署から人員を借用し、繁忙期を乗り切りました。
- ( 4 ) 借用期間は原則1週間ですが、延長も可能です。
- ( 5 ) 施設借用申請書を提出し、承認を得てから使用してください。
- ( 6 ) 借用物の破損・紛失には十分注意し、適切に管理する必要があります。
借用の会話例
拝借と借用の違いまとめ
拝借と借用は、どちらも借りることを意味しますが、使用場面と敬語レベルが大きく異なります。
拝借は敬語表現で、相手への敬意を示す必要がある場面で使用します。借用は中立的な表現で、公式文書や一般的なビジネスシーンで幅広く使われます。
相手との関係性や文書の性質に応じて、適切に使い分けることが大切です。
拝借と借用の読み方
- 拝借(ひらがな):はいしゃく
- 拝借(ローマ字):haishaku
- 借用(ひらがな):しゃくよう
- 借用(ローマ字):shakuyou