【業務】と【職務】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

業務と職務の分かりやすい違い
業務と職務は、どちらも仕事に関する言葉ですが、その範囲と責任の所在に違いがあります。
業務は部門や組織が行う仕事全般を指し、職務は個人に割り当てられた具体的な責任範囲を指します。前者は組織的な活動、後者は個人的な役割という違いがあります。
人事管理において、この違いを理解することは、適切な組織設計と責任分担の明確化に不可欠です。
業務とは?
業務とは、企業や組織が事業目的を達成するために行う仕事の内容や活動全般を指します。営業業務、経理業務、製造業務、管理業務など、機能別・部門別に分類されます。複数の人が協力して遂行することが多く、プロセスやシステムとして体系化されています。業務改善、業務効率化など、組織全体の視点で語られることが特徴です。
業務は定型業務と非定型業務に分けられ、定型業務はマニュアル化・自動化が可能です。業務フロー、業務プロセス、業務システムなど、組織的な仕組みとして管理されます。近年は、RPA(Robotic Process Automation)やAIを活用した業務自動化が進み、人間はより付加価値の高い業務にシフトしています。
業務の範囲は、コア業務(中核業務)とノンコア業務(周辺業務)に分類され、経営戦略に基づいて外部委託(アウトソーシング)の判断がなされます。業務の標準化と最適化は、組織の競争力向上に直結します。
業務の例文
- ( 1 ) 営業業務の効率化により、訪問件数が30%増加しました。
- ( 2 ) 定型業務をRPAで自動化し、人的リソースを有効活用しています。
- ( 3 ) 業務マニュアルを整備し、品質の標準化を実現しました。
- ( 4 ) コア業務に集中するため、総務業務をアウトソーシングしました。
- ( 5 ) 業務改善提案制度により、年間1000万円のコスト削減を達成しました。
- ( 6 ) クロスファンクショナルな業務連携で、顧客満足度が向上しました。
業務の会話例
職務とは?
職務とは、特定の職位にある個人に割り当てられた具体的な仕事の責任範囲と権限を指します。職務記述書(ジョブディスクリプション)により明文化され、個人の評価基準となります。営業部長の職務経理担当者の職務など、役職や職種に応じて定義されます。職務分析により、必要なスキルや資格が明確化されます。
職務には、主要職務と付随職務があり、職務等級制度により格付けされることもあります。職務の明確化は、採用、配置、評価、報酬決定の基礎となります。ジョブ型雇用では、職務内容が雇用契約の中核をなし、職務範囲外の仕事は原則として求められません。
日本企業では従来、職務の境界が曖昧でしたが、働き方改革や同一労働同一賃金の推進により、職務の明確化が進んでいます。職務満足度は、従業員のモチベーションと定着率に大きく影響します。
職務の例文
- ( 1 ) 部長職の職務として、部門戦略の立案と実行責任を負っています。
- ( 2 ) 職務記述書に基づき、明確な役割分担を行っています。
- ( 3 ) 職務の範囲を超える依頼については、上司と相談して対応します。
- ( 4 ) 新しい職務に必要なスキルを習得するため、研修を受講しました。
- ( 5 ) 職務評価により、適正な処遇を実現しています。
- ( 6 ) 職務満足度調査の結果を踏まえ、役割の見直しを行いました。
職務の会話例
業務と職務の違いまとめ
業務と職務の主な違いは、対象の範囲です。業務は組織や部門が行う仕事全般、職務は個人に割り当てられた具体的な責任という違いがあります。
管理の視点も異なり、業務は組織全体での効率化や改善が焦点となり、職務は個人の役割明確化と適正配置が重要になります。経理業務は部門の仕事、経理課長の職務は個人の責任範囲を示します。
実務では、業務を細分化して個人の職務に落とし込むことで、組織運営が円滑になります。両者の関係を正しく理解することが、効果的な組織マネジメントの基礎となります。
業務と職務の読み方
- 業務(ひらがな):ぎょうむ
- 業務(ローマ字):gyoumu
- 職務(ひらがな):しょくむ
- 職務(ローマ字):shokumu