潤滑油と作動油の分かりやすい違い

潤滑油とは？

潤滑油とは、機械部品の摩擦を減らし、摩耗を防ぐことを主な目的として用いられる油のことを指します。潤滑油は、油膜を形成することで、金属表面の直接接触を防ぎ、スムーズな動作を実現します。

潤滑油は、熱を逃がす冷却効果や、不純物を洗浄する清浄効果も持ち合わせています。潤滑油の主な特性として、粘度や油膜強度、耐熱性、耐寒性などが挙げられます。適切な粘度の潤滑油を選ぶことで、機械の運転条件に合わせた最適な潤滑が可能となります。

潤滑油は、用途に応じて、鉱物油、合成油、生分解性油など、様々な種類があります。エンジンオイルやギアオイル、グリースなどは、潤滑油の代表例です。潤滑油は、機械の耐用年数を延ばし、エネルギー効率を高めるために欠かせない存在です。ただし、劣化した潤滑油は、かえって機械の損傷を招く恐れがあるため、定期的な交換が必要とされます。

潤滑油の例文

• ( 1 ) 自動車のエンジンには、潤滑油としてエンジンオイルが使用される。
• ( 2 ) 工作機械の送り螺旋には、潤滑油としてギアオイルが塗布される。
• ( 3 ) チェーンソーのガイドバーとチェーンの間には、潤滑油が自動的に供給される。
• ( 4 ) ベアリングの転がり部分には、グリースという潤滑油が封入されている。
• ( 5 ) 金属加工の切削工程では、切削油という潤滑油が用いられる。
• ( 6 ) 自転車のチェーンには、チェーンオイルという潤滑油を定期的に塗布する必要がある。

作動油とは？

作動油とは、機械の動力を伝達し、制御することを主な目的として用いられる油のことを指します。作動油は、油圧システムにおいて、動力の伝達媒体としての役割を果たします。作動油は、ポンプによって加圧され、配管を通じて各種のアクチュエータ（シリンダやモーターなど）に供給されます。

アクチュエータは、作動油の圧力によって駆動し、機械的な動作を生み出します。作動油の主な特性として、圧縮性や流動性、潤滑性、防錆性などが挙げられます。作動油は、高い圧力に耐えながら、スムーズに流れる必要があります。また、作動油は、システム内の摺動部の潤滑や、金属部品の錆防止にも役立ちます。作動油は、用途に応じて、鉱物油、合成油、難燃性油など、様々な種類があります。

油圧ショベルや油圧プレス、油圧ステアリングなどは、作動油を利用した代表的な機械です。作動油は、機械の動作を精密に制御するために欠かせない存在ですが、汚れや混入物による性能の低下を防ぐため、定期的なメンテナンスと交換が必要とされます。

作動油の例文

• ( 1 ) 油圧ショベルの動作がスムーズでないんだけど、作動油に問題があるのかな?
• ( 2 ) 工作機械の自動送り装置には、作動油が使用されている。
• ( 3 ) 自動車の油圧式パワーステアリングには、作動油が充填されている。
• ( 4 ) 射出成形機の油圧シリンダは、作動油によって駆動される。
• ( 5 ) 農業機械の油圧式アタッチメントの動作は、作動油によって制御される。
• ( 6 ) テーマパークのアトラクションの可動部には、作動油が使用されている。

潤滑油と作動油の違いまとめ

潤滑油と作動油は、ともに機械の円滑な動作に欠かせない油ですが、その主な目的と性質が異なります。潤滑油は、機械部品の摩擦を減らし、摩耗を防ぐことを主な目的とし、粘度や油膜強度に優れた特性を持つのに対し、作動油は、機械の動力を伝達し、制御することを主な目的とし、圧縮性や流動性に優れた特性を持ちます。

潤滑油はギアボックスやベアリングなどの摺動部に用いられるのに対し、作動油は油圧システムや油圧機器に用いられます。

潤滑油は長期的な使用に耐える耐久性が求められるのに対し、作動油は応答性や制御性が重視される傾向にあります。両者は密接に関連しますが、その用途と要求される性能の違いを理解することが重要です。

潤滑油と作動油の読み方

• 潤滑油（ひらがな）：じゅんかつゆ
• 潤滑油（ローマ字）：junkatsuy
• 作動油（ひらがな）：さどうゆ
• 作動油（ローマ字）：sadōyu