【本来】と【従来】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

本来と従来の分かりやすい違い
本来と従来は、どちらも時間的な概念を含みますが、焦点と含意が大きく異なります。
本来は「本来の姿」「本来の目的」のように、物事の本質的な性質、元々あるべき状態、原初の状態を指します。現状との対比で使われることが多く、「本来なら〜すべき」という形で、理想や原則を示します。一方、従来は「従来の方法」「従来通り」のように、過去から現在まで続いている状態、これまでの慣習や方法を指します。変化や新しいものとの対比で使われ、「従来は〜だったが」という形で、過去と現在の違いを示します。
本来は普遍的な真理や理想を、従来は歴史的な事実や慣習を表すという違いがあり、本来は規範的、従来は記述的な性格を持ちます。
本来とは?
本来とは、物事の根本的な性質、元々の状態、あるべき姿を指す言葉です。
「本」は「もと」、「来」は「きたる」を意味し、元から備わっている性質や、原初の状態を表します。「本来の目的」「本来の姿」「本来なら」といった形で使われ、現状が理想や原則から逸脱している時に、正しい状態を示すために用いられます。哲学的には事物の本質を、実用的には設計意図や創設理念を指すことが多いです。
「人間は本来善良である」のような普遍的真理の主張や、「本来の業務に戻る」のような原点回帰の文脈で使われます。また、「本来は医者だが、今は作家をしている」のように、元々の職業や立場を示すこともあります。現実と理想、現状と原則の間のギャップを意識させる、規範的で批判的な含意を持つ言葉です。
本来の例文
- ( 1 ) 本来の目的を見失わないよう、注意が必要です。
- ( 2 ) この機能は本来、別の用途のために開発されました。
- ( 3 ) 本来なら今日中に終わるはずでした。
- ( 4 ) 彼は本来、とても優しい性格の持ち主です。
- ( 5 ) 本来の業務に集中できる環境を整えましょう。
- ( 6 ) 日本料理は本来、素材の味を生かすものです。
本来の会話例
従来とは?
従来とは、過去から現在まで続いている状態、これまでの方法、以前からの慣習を指す言葉です。「従」は「したがう」、「来」は「きたる」を意味し、過去から引き継がれてきたものを表します。
「従来の方法」「従来通り」「従来型」といった形で使われ、新しいものや変化と対比して、これまでのやり方を示す際に用いられます。ビジネスでは「従来製品」「従来のシステム」など、改良や革新の前の状態を指すことが多く、技術革新や制度改革の文脈で頻繁に使われます。従来は価値中立的で、良し悪しの判断を含まず、単に時間的な継続性を示します。
「従来より改善された」「従来の問題点」のように、比較の基準点として機能することが多いです。歴史的連続性と現在の変化を対比的に示す、記述的で客観的な言葉です。
従来の例文
- ( 1 ) 従来の方法では、この問題は解決できません。
- ( 2 ) 従来型の携帯電話を使い続ける人もいます。
- ( 3 ) 従来より30%の省エネを実現しました。
- ( 4 ) 従来の慣習にとらわれない発想が必要です。
- ( 5 ) 従来品と比較して、性能が大幅に向上しています。
- ( 6 ) 従来通りの手順で作業を進めてください。
従来の会話例
本来と従来の違いまとめ
本来は本質や理想的な状態、従来は過去からの継続的な状態を表すという違いがあります。
本来は規範的で原点回帰を示唆し、従来は記述的で歴史的事実を示します。
本来は「あるべき姿」、従来は「今までの姿」を指し、時間軸と価値判断の有無において対照的な概念です。
本来と従来の読み方
- 本来(ひらがな):ほんらい
- 本来(ローマ字):honrai
- 従来(ひらがな):じゅうらい
- 従来(ローマ字):jurai