【アドリブ】と【即興】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

アドリブと即興の分かりやすい違い
アドリブと即興は、どちらも事前の準備なしにその場で行う表現を指しますが、使用分野と含意に違いがあります。
アドリブは英語の「ad lib(自由に)」の略で、主に演劇や音楽において、台本や楽譜から離れて自由に演じることを指します。「アドリブで演じる」「アドリブを利かせる」のように使い、エンターテインメント分野での使用が中心です。一方、即興は「即座に興す」という意味で、その場で創作・実行する行為全般を指し、音楽、演劇、詩、ダンス、料理など幅広い分野で使われます。
アドリブは既存の作品や枠組みがある中での自由な表現、即興は完全にゼロから生み出す創造行為というニュアンスの違いがあります。また、アドリブはカタカナ語で口語的、即興は漢語で文語的という印象の違いもあります。
アドリブとは?
アドリブとは、英語「ad libitum(自由に、任意に)」の略語で、台本や楽譜などの事前の取り決めから離れて、演者が自由に表現することを指します。
演劇では俳優が台詞を忘れた時や、より自然な演技のために即座に言葉を付け加えること、音楽ではジャズのように決められた楽譜から離れて自由に演奏することを意味します。「アドリブが上手い」「アドリブで乗り切る」といった使い方をし、機転や即応力を評価する文脈で用いられることが多いです。
ビジネスシーンでも、準備した内容から離れて臨機応変に対応することを「アドリブで対応する」と表現します。アドリブには経験と技術が必要で、基本的な知識や技能があってこそ効果的なアドリブが可能になります。エンターテインメント業界を中心に、日常会話でも広く使われる言葉です。
アドリブの例文
- ( 1 ) 俳優がアドリブで面白い台詞を付け加えました。
- ( 2 ) 司会者のアドリブが、会場を盛り上げました。
- ( 3 ) 台本を忘れたので、アドリブで演技を続けました。
- ( 4 ) 彼のアドリブ力は、長年の経験から生まれたものです。
- ( 5 ) プレゼンでアドリブを入れすぎて、時間オーバーしました。
- ( 6 ) ジャズではアドリブが演奏の醍醐味です。
アドリブの会話例
即興とは?
即興とは、事前の準備や計画なしに、その場の思いつきや感覚で何かを創作・実行することを指す言葉です。「即座に興す」という文字通りの意味を持ち、音楽の即興演奏、即興劇、即興詩、即興ダンスなど、様々な芸術分野で使われます。また、「即興で料理を作る」「即興でスピーチをする」のように、日常的な場面でも使用されます。即興には瞬間的な創造性と、それを形にする技術の両方が求められ、長年の経験と鍛錬によって培われる能力です。即興は単なる思いつきではなく、深い知識と技能に裏打ちされた創造的行為として評価されます。英語では「improvisation」と訳され、世界中の芸術文化において重要な表現方法として認識されています。計画性よりも柔軟性と創造性を重視する現代において、即興の価値は高まっています。
即興の例文
- ( 1 ) ピアニストが見事な即興演奏を披露しました。
- ( 2 ) 即興で詩を作る大会に参加しました。
- ( 3 ) シェフが即興で新しい料理を生み出しました。
- ( 4 ) 即興劇のワークショップで、表現力が向上しました。
- ( 5 ) 会議で即興のアイデアが採用されました。
- ( 6 ) 即興ダンスの美しさに、観客は魅了されました。
即興の会話例
アドリブと即興の違いまとめ
アドリブは既存の枠組みからの自由な逸脱、即興は完全な創造行為という違いがあります。
アドリブは演劇・音楽分野で使われることが多く、即興はより広範な分野で使用されます。また、アドリブは口語的でカジュアル、即興は文語的でフォーマルな印象を与えます。
状況に応じて使い分けることが大切です。
アドリブと即興の読み方
- アドリブ(ひらがな):あどりぶ
- アドリブ(ローマ字):adoribu
- 即興(ひらがな):そっきょう
- 即興(ローマ字):sokkyou