【未実現益】と【未実現損】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

未実現益と未実現損の分かりやすい違い
未実現益と未実現損は、保有資産の評価上の損益を表す会計用語で、まだ売却していない状態の利益と損失を指します。
未実現益は時価が簿価を上回る評価益、未実現損は時価が簿価を下回る評価損です。含み益含み損とほぼ同じ意味ですが、会計や財務報告の文脈で使われることが多い専門用語です。
金融実務では、未実現損益の会計処理方法時価会計か取得原価会計かにより、財務諸表への影響が大きく異なるため、その理解が重要です。
未実現益とは?
未実現益とは、保有している資産の時価が帳簿価額を上回っているが、まだ売却していないため確定していない利益のことです。英語ではUnrealized Gainと表現され、国際会計基準でも使用される用語です。
会計処理上、売買目的有価証券の未実現益は損益計算書に計上されますが、その他有価証券の未実現益は、その他の包括利益として純資産に直接計上されることが多いです。
未実現益は企業の含み資産を示す重要な指標ですが、市場環境の変化により消失する可能性もあるため、投資判断では実現可能性も含めて評価する必要があります。
未実現益の例文
- ( 1 ) その他有価証券の未実現益が1000億円に達しています。
- ( 2 ) 未実現益の実現により、今期の特別利益を計上予定です。
- ( 3 ) 株式市場の上昇で、年金基金の未実現益が拡大しました。
- ( 4 ) 未実現益への課税議論が、市場心理を冷やしています。
- ( 5 ) 連結財務諸表上、子会社株式の未実現益を消去しています。
- ( 6 ) 保有不動産の未実現益が、企業価値を押し上げています。
未実現益の会話例
未実現損とは?
未実現損とは、保有している資産の時価が帳簿価額を下回っているが、まだ売却による損失確定をしていない状態の損失のことです。英語ではUnrealized Lossと表現されます。
会計上、継続的な時価の下落は減損処理の対象となることがあり、未実現損が一定基準を超えると、売却前でも損失計上が必要になる場合があります。これは投資家保護の観点から重要な会計ルールです。
金融機関では、保有有価証券の未実現損が自己資本を圧迫することがあり、金利上昇局面では債券の未実現損拡大が経営課題となることもあります。
未実現損の例文
- ( 1 ) 金利上昇により、債券ポートフォリオに巨額の未実現損が発生しました。
- ( 2 ) 未実現損の減損処理により、自己資本比率が低下しました。
- ( 3 ) 外貨建て資産の未実現損は、為替差損として処理されます。
- ( 4 ) 政策保有株式の未実現損が、経営の重荷となっています。
- ( 5 ) 四半期ごとに未実現損の回復可能性を検討しています。
- ( 6 ) 未実現損を抱える資産の売却を進め、財務改善を図ります。
未実現損の会話例
未実現益と未実現損の違いまとめ
未実現益と未実現損は、会計・財務の専門用語として、評価損益を表します。含み益・含み損とほぼ同義ですが、財務諸表や決算説明の文脈で使われることが多いです。
重要な違いは、会計基準により未実現損益の処理方法が定められている点で、保有目的により損益計算書か純資産の部に計上されます。
投資家は、企業の未実現損益の状況を分析することで、将来の業績への影響や財務健全性を評価でき、より深い企業分析が可能になります。
未実現益と未実現損の読み方
- 未実現益(ひらがな):みじつげんえき
- 未実現益(ローマ字):mijitsugenneki
- 未実現損(ひらがな):みじつげんそん
- 未実現損(ローマ字):mijitsugennsonn