【実質金利】と【実効金利】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

実質金利と実効金利の分かりやすい違い
実質金利と実効金利は、どちらも実際の金利を表しますが、全く異なる概念です。実質金利は物価上昇インフレを考慮した金利で、お金の本当の価値を示します。
実効金利は、複利計算や各種手数料を含めた実際に支払う金利のことです。表面的な金利名目金利では分からない、本当の負担や収益を表します。
経済ニュースでは実質金利が、ローンや預金の説明では実効金利がよく登場します。どちらも投資や借入の判断に欠かせない重要な指標です。
実質金利とは?
実質金利とは、名目金利表面上の金利からインフレ率を差し引いた金利のことです。例えば、預金金利が2%でもインフレ率が3%なら、実質金利はマイナス1%となり、実質的には購買力が低下することを意味します。
計算式は実質金利=名目金利-インフレ率です。中央銀行の金融政策や経済分析で重要視され、実質金利がマイナスの時は金融緩和的、プラスの時は引き締め的と判断されます。
投資判断においても、実質金利は重要です。インフレ時代には、名目上の収益だけでなく、実質的な価値の増減を考慮しなければ、資産の実質的な目減りを見逃してしまう恐れがあります。
実質金利の例文
- ( 1 ) 現在の実質金利はマイナスで、預金の実質価値は減少しています。
- ( 2 ) 実質金利がプラスに転じれば、債券投資の魅力が高まるでしょう。
- ( 3 ) 日銀は実質金利の動向を注視しながら金融政策を決定します。
- ( 4 ) 実質金利の低下は、企業の設備投資を促進する効果があります。
- ( 5 ) 各国の実質金利差は、為替レートに大きな影響を与えます。
- ( 6 ) 実質金利がマイナスの時は、現金より実物資産が有利とされます。
実質金利の会話例
実効金利とは?
実効金利とは、複利効果や各種費用を含めた実際の金利負担率のことです。年利12%でも月複利なら実効金利は約12.68%となります。クレジットカードの分割手数料なども、実効金利で見ると表示金利より高くなることがあります。
住宅ローンでは、保証料や事務手数料を含めた総費用を元に計算されるAPR実質年率が実効金利に相当します。これにより、異なる条件のローンを公平に比較できます。
企業財務では、社債発行時の引受手数料や、為替予約のコストなども含めた実効金利で資金調達コストを評価します。表面金利だけでは見えない真のコストを把握することが重要です。
実効金利の例文
- ( 1 ) このローンの実効金利は、諸費用込みで3.2%となります。
- ( 2 ) クレジットカードのリボ払いの実効金利は、年15%を超えることがあります。
- ( 3 ) 複利運用商品では、実効金利が表示金利より高くなります。
- ( 4 ) 実効金利には、繰上返済手数料なども考慮する必要があります。
- ( 5 ) 企業の実効金利負担は、金利スワップにより軽減できます。
- ( 6 ) 変動金利ローンの実効金利は、金利上昇リスクを含めて評価すべきです。
実効金利の会話例
実質金利と実効金利の違いまとめ
実質金利と実効金利は、それぞれ異なる実際を表す金利概念です。実質金利は経済全体やマクロな投資環境を分析する際に、実効金利は個別の金融商品を評価する際に使用されます。
現在のような低金利・インフレ環境では、実質金利がマイナスになることも珍しくありません。一方、実効金利を正しく理解することで、隠れたコストを見抜き、より有利な金融商品を選択できます。
金融リテラシーを高めるには、両方の概念を理解し、状況に応じて使い分けることが大切です。
実質金利と実効金利の読み方
- 実質金利(ひらがな):じっしつきんり
- 実質金利(ローマ字):jisshitsukinnri
- 実効金利(ひらがな):じっこうきんり
- 実効金利(ローマ字):jikkoukinnri