【就労移行支援】と【就労継続支援】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

就労移行支援と就労継続支援の分かりやすい違い
就労移行支援と就労継続支援は、どちらも障害者総合支援法に基づく就労系サービスですが、その目的と支援内容が異なります。就労移行支援は一般企業での就職を目指し、最長2年間の職業訓練を行います。
一方、就労継続支援は一般就労が困難な方に、福祉的な環境で継続的に働く場を提供します。
企業の障害者雇用や福祉担当者は、この違いを理解し、障害者の状況に応じた適切なサービスにつなげることが重要です。
就労移行支援とは?
就労移行支援とは、障害者総合支援法に基づく訓練等給付の一つで、一般企業への就職を希望する障害者に対し、最長2年間の職業訓練や就職活動支援を提供するサービスです。18歳から65歳未満の障害者が対象で、身体・知的・精神・発達障害など幅広い障害種別に対応しています。
支援内容は、職業スキルの習得、ビジネスマナー研修、企業実習、履歴書作成、面接練習など多岐にわたります。個別支援計画に基づき、利用者の特性に応じたプログラムを実施します。就職後も6か月間の定着支援があり、職場定着率の向上を図っています。
全国に約3,500事業所があります。企業との連携も重要で、実習受け入れや雇用前提の訓練など、障害者雇用を検討する企業にとって有効な人材確保ルートとなっています。利用者の約30%が一般就労を実現しており、障害者の社会参加促進に大きく貢献しています。
就労移行支援の例文
- ( 1 ) 就労移行支援事業所で2年間訓練を受け、念願の一般企業に就職できました。
- ( 2 ) 当社では就労移行支援事業所から実習生を受け入れ、採用につなげています。
- ( 3 ) 就労移行支援のプログラムで、ビジネスマナーやPCスキルを身につけました。
- ( 4 ) 就労移行支援事業所と連携し、障害者雇用の促進に取り組んでいます。
- ( 5 ) 就労移行支援を利用して、自分に合った職種を見つけることができました。
- ( 6 ) 就労移行支援の定着支援のおかげで、就職後も安心して働けています。
就労移行支援の会話例
就労継続支援とは?
就労継続支援とは、一般企業での就労が困難な障害者に対し、働く場を提供しながら、知識や能力の向上を図るサービスです。A型(雇用型)とB型(非雇用型)の2種類があり、A型は雇用契約を結び最低賃金以上が保障され、B型は雇用契約なしで工賃を受け取る形態です。A型事業所では、障害者と雇用契約を結び、最低賃金以上の給与を支払います。
比較的軽度の障害者が対象で、一般就労に近い環境で働けます。B型事業所は、雇用契約を結ばず、作業に応じた工賃(全国平均月額約16,000円)を支給します。重度の障害者も利用可能で、体調に応じた柔軟な働き方ができます。
作業内容は、軽作業、清掃、農作業、パン製造、カフェ運営など多様です。利用期限はなく、本人のペースで長期的に利用できます。一般就労を目指す利用者には、ステップアップの支援も行います。全国に約14,000事業所があり、障害者の社会参加の重要な受け皿となっています。
就労継続支援の例文
- ( 1 ) 就労継続支援A型事業所で働きながら、一般就労を目指しています。
- ( 2 ) 就労継続支援B型事業所での作業を通じて、生活リズムが整いました。
- ( 3 ) 当社は就労継続支援A型事業所として、障害者の雇用を創出しています。
- ( 4 ) 就労継続支援事業所の製品を企業として定期購入し、支援しています。
- ( 5 ) 就労継続支援B型から始めて、今はA型事業所で頑張っています。
- ( 6 ) 就労継続支援事業所が運営するカフェが、地域の交流拠点になっています。
就労継続支援の会話例
就労移行支援と就労継続支援の違いまとめ
就労移行支援と就労継続支援の最大の違いは、サービスの目的です。移行支援は一般企業への就職を目指す期限付きの訓練、継続支援は福祉的就労の場の提供という継続的なサービスです。利用期間も大きく異なり、移行支援は原則2年間ですが、継続支援は期限なく利用できます。
また、移行支援では工賃や給与は原則ありませんが、継続支援では作業に応じた工賃(B型)や給与(A型)が支払われます。
企業の障害者雇用においては、即戦力を求める場合は継続支援A型から、じっくり育成したい場合は移行支援からの採用を検討するなど、目的に応じた活用が可能です。
就労移行支援と就労継続支援の読み方
- 就労移行支援(ひらがな):しゅうろういこうしえん
- 就労移行支援(ローマ字):shuurouikoushienn
- 就労継続支援(ひらがな):しゅうろうけいぞくしえん
- 就労継続支援(ローマ字):shuuroukeizokushienn