【依願退職】と【解雇】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

依願退職と解雇の分かりやすい違い
依願退職と解雇は、どちらも雇用関係の終了ですが、その主体と性質が異なります。
依願退職は従業員の自発的な意思による退職で、円満な形での雇用関係の終了です。
解雇は会社側の一方的な意思による労働契約の終了で、法的な制約も多い強制的な措置です。
依願退職とは?
依願退職とは、従業員が自らの意思で退職を申し出て、会社がこれを承認することで成立する退職形態です。転職、家庭の事情、健康上の理由、定年など、様々な理由で行われます。退職願や退職届を提出し、引き継ぎ期間を経て円満に退職するのが一般的な流れです。
依願退職では、退職金規程に基づく退職金の支給や、失業保険の給付制限がないなど、従業員にとって有利な条件で退職できることが多いです。また、履歴書にも「一身上の都合により退職」と記載でき、転職活動への影響も最小限に抑えられます。
「依願退職を申し出る」「依願退職扱いにする」のように、自発的な退職を表現する際に使用される言葉です。
依願退職の例文
- ( 1 ) 家族の介護のため、来月末での依願退職を上司に申し出ました。
- ( 2 ) 依願退職の場合、有給休暇の消化も含めて計画的に進められる。
- ( 3 ) 早期退職優遇制度を利用して、依願退職することを決めた。
- ( 4 ) 依願退職届を提出する前に、必ず直属の上司と相談することが大切です。
- ( 5 ) 円満な依願退職のためには、十分な引き継ぎ期間を確保する必要がある。
- ( 6 ) 依願退職後も、会社との良好な関係を維持することができた。
依願退職の会話例
解雇とは?
解雇とは、使用者(会社)が労働契約を一方的に終了させることで、従業員の意思に関わらず雇用関係を解消する行為です。普通解雇、整理解雇、懲戒解雇の3種類があり、それぞれ要件や手続きが異なります。労働基準法や労働契約法により厳格に規制されています。
解雇を行うには、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要で、30日前の予告または解雇予告手当の支払いが義務付けられています。不当解雇と判断された場合、従業員は地位確認や損害賠償を求めることができます。
「解雇通知を出す」「不当解雇で争う」のように、会社側からの強制的な雇用終了を表現する際に使用される言葉です。
解雇の例文
- ( 1 ) 業績不振により、残念ながら営業部員3名を解雇することになった。
- ( 2 ) 懲戒解雇の場合、退職金が支給されないことがある。
- ( 3 ) 整理解雇を実施する前に、希望退職者の募集を行うべきだ。
- ( 4 ) 不当解雇として労働審判を申し立てる従業員が増えている。
- ( 5 ) 解雇回避努力を尽くさずに行った解雇は、無効となる可能性が高い。
- ( 6 ) 試用期間中であっても、正当な理由なく解雇することはできない。
解雇の会話例
依願退職と解雇の違いまとめ
依願退職と解雇は、雇用関係の終了という結果は同じですが、その過程と法的効果が大きく異なります。
依願退職は労使双方の合意に基づく円満な退職で、従業員の権利も保護されます。解雇は会社の一方的な行為で、法的要件を満たす必要があり、労使紛争に発展するリスクもあります。
企業は可能な限り依願退職での解決を図ることが、双方にとって望ましいとされています。
依願退職と解雇の読み方
- 依願退職(ひらがな):いがんたいしょく
- 依願退職(ローマ字):iganntaishoku
- 解雇(ひらがな):かいこ
- 解雇(ローマ字):kaiko