【おっしゃる】と【申す】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

おっしゃると申すの分かりやすい違い
おっしゃると申すは、どちらも「言う」の敬語ですが、使う相手が違います。
おっしゃるは「社長がおっしゃった」のように、目上の人が言ったことを敬って表現する尊敬語です。申すは「私から申し上げます」のように、自分が言うことをへりくだって表現する謙譲語です。
おっしゃるは「相手を上げる」、申すは「自分を下げる」という違いがあります。
おっしゃるとは?
おっしゃるとは、「言う」の尊敬語で、目上の人や敬意を払うべき相手が何かを言ったときに使う敬語です。「先生がおっしゃった」「お客様がおっしゃるとおり」など、相手の発言を敬意を込めて表現します。ビジネスシーンや接客、目上の人との会話で頻繁に使われます。
「おっしゃる」は相手を主語にして使い、その人の発言や意見を尊重していることを示します。「おっしゃるとおりです」「何とおっしゃいましたか」など、相手の言葉を確認したり同意したりする際にも使用されます。正しい敬語として定着しており、失礼のない表現です。
ただし、自分の行為に「おっしゃる」を使うのは間違いです。「私がおっしゃる」ではなく、自分の発言には謙譲語の「申す」を使います。敬語の基本として、この使い分けは重要です。
おっしゃるの例文
- ( 1 ) 社長がおっしゃったことは、すべてメモしました。
- ( 2 ) 先生がおっしゃるとおり、練習が大切ですね。
- ( 3 ) お客様がおっしゃることは、ごもっともです。
- ( 4 ) 何かおっしゃりたいことがございますか。
- ( 5 ) 部長がおっしゃっていた件について、確認させてください。
- ( 6 ) 先ほどおっしゃった内容を、もう一度お聞かせください。
おっしゃるの会話例
申すとは?
申すとは、「言う」の謙譲語で、自分が目上の人に対して何かを言うときに使う敬語です。「申し上げる」「申し出る」「申し込む」など、様々な形で使われます。自分の行為をへりくだることで、相手への敬意を示します。
ビジネスメールでよく使われる「申し訳ございません」や、電話での「〇〇と申します」など、日常的に使用される表現が多くあります。「申す」は古風な印象もありますが、「申し上げる」の形にすると現代的で丁寧な表現になります。
「申す」は謙譲語なので、相手の行為には使いません。「社長が申された」は誤りで、「社長がおっしゃった」が正しい表現です。自分や自分の身内の行為にのみ使用し、相手を立てる日本語の敬語体系の重要な要素です。
申すの例文
- ( 1 ) 私から一言申し上げてもよろしいでしょうか。
- ( 2 ) 山田と申します。本日はよろしくお願いいたします。
- ( 3 ) 恐れ入りますが、申し上げたいことがあります。
- ( 4 ) 詳細につきましては、後日申し上げます。
- ( 5 ) 先ほど申しましたとおり、締切は明日です。
- ( 6 ) お忙しいところ申し訳ございませんが、ご確認をお願い申し上げます。
申すの会話例
おっしゃると申すの違いまとめ
おっしゃると申すは、敬語の方向性が正反対です。おっしゃるは相手の言葉を敬う尊敬語で、相手を上に置く表現です。
申すは自分の言葉をへりくだる謙譲語で、自分を下に置く表現です。おっしゃるは「相手が言う」、申すは「自分が言う」という主語の違いがあります。
「部長がおっしゃったことを、私から申し上げます」のように、同じ文の中で使い分けることもあります。
おっしゃると申すの読み方
- おっしゃる(ひらがな):おっしゃる
- おっしゃる(ローマ字):ossharu
- 申す(ひらがな):もうす
- 申す(ローマ字):mousu