【によって】と【ために】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

によってとためにの分かりやすい違い
「によって」は原因や手段、主体を表す客観的な表現で、「ために」は目的や利益、理由を表す主観的な表現です。
例えば「地震によって建物が倒れた」は客観的な原因、「健康のために運動する」は主観的な目的を表します。文脈により使い分けが必要です。
によってとは?
「によって」は、原因・理由、手段・方法、動作の主体などを表す助詞相当句です。
「地震によって」「努力によって」のように、ある結果や状況をもたらした客観的な要因を示します。また、「メールによって連絡する」のように手段を表したり、「この小説は夏目漱石によって書かれた」のように受身文の動作主を示したりします。さらに、「人によって意見が異なる」のように、基準や条件による違いを表すこともあります。
学術的・公式的な文章でよく使われ、因果関係を客観的に述べる際に適した表現です。中立的で論理的な印象を与えるため、説明文や報告書などで重宝されます。
によっての例文
- ( 1 ) 事故によって交通が渋滞しています。
- ( 2 ) 科学技術の発展によって生活が便利になりました。
- ( 3 ) 投票によって代表を選びます。
- ( 4 ) 彼の発明によって多くの人が救われた。
- ( 5 ) 天候によって予定が変更されることがあります。
- ( 6 ) この作品は有名な画家によって描かれました。
によっての会話例
ためにとは?
「ために」は、目的、理由・原因、利益・恩恵を表す助詞相当句です。
「合格するために勉強する」のように目的を表す用法が最も一般的で、意志的な行動の動機を示します。また、「雨のために試合が中止になった」のように理由や原因を表すこともありますが、この場合は「によって」よりも主観的なニュアンスを含みます。さらに、「子供のために貯金する」のように、誰かの利益や恩恵を表す用法もあります。
話者の意図や感情が含まれやすく、人間的な温かみのある表現として、日常会話から文章まで幅広く使用されます。
ためにの例文
- ( 1 ) 健康のために毎日運動しています。
- ( 2 ) 将来のために貯金をしています。
- ( 3 ) 君のために特別に用意しました。
- ( 4 ) 試験に合格するために頑張っています。
- ( 5 ) 家族のために一生懸命働いています。
- ( 6 ) 環境保護のために行動しましょう。
ためにの会話例
によってとためにの違いまとめ
「によって」と「ために」は、どちらも原因・理由を表せますが、客観性と主観性に違いがあります。
「によって」は客観的な因果関係や手段を中立的に述べ、「ために」は目的や意図、誰かの利益を主観的に表現します。
学術的・公式的な文脈では「によって」、個人的・感情的な文脈では「ために」が選ばれる傾向があります。
によってとためにの読み方
- によって(ひらがな):によって
- によって(ローマ字):ni yotte
- ために(ひらがな):ために
- ために(ローマ字):tameni