【証券化】と【流動化】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

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証券化と流動化の分かりやすい違い

証券化と流動化は密接な関係がありますが、範囲が異なります。証券化は、不動産や債権などの資産を裏付けに証券(有価証券)を発行し、投資家に販売する具体的な手法です。例えば、住宅ローンをまとめて証券にして売るMBS(住宅ローン担保証券)が代表例です。

流動化は、もっと広い概念で、売りにくい資産を売りやすくする(現金化しやすくする)あらゆる方法を指します。証券化も流動化の一種ですが、他にも資産の売却、信託、リースバックなども含まれます。

簡単に言うと、流動化は売りにくいものを売りやすくするという目的で、証券化は証券を作って売るという具体的な方法です。証券化は流動化を実現する代表的な手段の一つという関係にあります。

証券化とは?

証券化(Securitization)とは、企業や金融機関が保有する金銭債権、不動産、その他の資産を特別目的会社(SPC)や信託に譲渡し、当該資産が生み出すキャッシュフローを裏付けとして証券を発行し、投資家に販売する金融技術です。原資産のリスクを投資家に移転し、オリジネーター(原資産保有者)は早期に資金回収できます。

代表的な証券化商品には、ABS(資産担保証券)、MBS(住宅ローン担保証券)、CDO(債務担保証券)、CMBS(商業用不動産ローン担保証券)などがあります。日本では1998年のSPC法(現・資産流動化法)制定以降、本格的に発展しました。格付機関による信用補完、劣後構造によるリスク分散が特徴です。

メリットは、資金調達の多様化、オフバランス化、リスク移転です。一方、組成コストの高さ、複雑な仕組み、情報の非対称性などの課題があります。2008年のサブプライム問題では、過度な証券化がリスクを見えにくくした反省から、規制強化が進んでいます。

証券化の例文

  • ( 1 ) 売掛債権の証券化により、運転資金10億円を調達し、資金繰りが大幅に改善しました。
  • ( 2 ) 不動産の証券化スキームを活用し、オフィスビルをREIT(不動産投資信託)に組み入れました。
  • ( 3 ) 自動車ローン債権を証券化し、ABS(資産担保証券)として機関投資家に販売する予定です。
  • ( 4 ) 証券化における真正売買の要件を満たすため、弁護士と会計士を交えて詳細な検討を行っています。
  • ( 5 ) サブプライム問題の教訓から、証券化商品のリスク評価体制を抜本的に見直しました。
  • ( 6 ) 中小企業向けに、売掛債権の小口証券化サービスを開始し、新たな資金調達手段を提供しています。

証券化の会話例

証券化って具体的にどんなメリットがありますか?
資金調達の多様化、調達コストの削減、オフバランス化による財務指標の改善、リスクの投資家への移転などがあります。
証券化にはどんなコストがかかりますか?
弁護士・会計士費用、格付取得費用、SPCの設立・運営費、引受手数料など、初期費用だけで数千万円かかることもあります。
小規模な会社でも証券化はできますか?
単独では困難ですが、複数企業の債権をまとめる集合型証券化なら可能性があります。ただし、最低でも数億円規模は必要です。

流動化とは?

流動化(Liquidation/Asset Liquidation)とは、企業や金融機関が保有する流動性の低い資産を、売却・証券化・信託などの手法により換金性の高い形態に転換することです。不動産、売掛債権、在庫、知的財産など、通常の市場では即座に売却困難な資産を、様々な金融技術を用いて資金化します。

バランスシート改善と資金効率向上が主目的です。流動化の手法には、①証券化(ABS発行等)、②売却(バルクセール等)、③信託受益権化、④リースバック、⑤ファクタリング、⑥不動産の小口化などがあります。選択する手法は、資産の性質、必要資金額、会計・税務上の要請により異なります。

日本では、バブル崩壊後の不良債権処理や、企業の財務リストラクチャリングの一環として発展しました。現在は、事業承継、相続対策、運転資金確保など多様な目的で活用されています。適切な流動化により、企業価値向上と財務健全性の両立が可能となります。

流動化の例文

  • ( 1 ) 保有不動産の流動化により、含み損を実現させ、財務体質の改善を図りました。
  • ( 2 ) 在庫商品の流動化スキームとして、動産担保融資(ABL)の活用を検討しています。
  • ( 3 ) 知的財産権の流動化により、特許使用料の将来キャッシュフローを現在価値化しました。
  • ( 4 ) グループ会社間での資産流動化により、連結ベースでの資金効率を30%向上させました。
  • ( 5 ) 流動化ニーズの高まりを受け、専門チームを設置し、ワンストップサービスを開始しました。
  • ( 6 ) 不良債権の流動化により、バランスシートから2000億円の資産を圧縮することに成功しました。

流動化の会話例

流動化と売却の違いは何ですか?
売却は流動化の一手法です。流動化には売却以外にも、証券化、信託、リースバックなど多様な手法があり、最適な方法を選択できます。
流動化で注意すべき点は?
オフバランスの要件(真正売買性)、税務上の取り扱い、会計処理の適切性、投資家保護などに注意が必要です。専門家の助言が不可欠です。
流動化は必ずしも有利なのですか?
必ずしもそうではありません。コストと効果を慎重に比較し、通常の借入や増資と比べて本当に有利か検討する必要があります。

証券化と流動化の違いまとめ

証券化と流動化の関係は、手段と目的または部分と全体として理解できます。流動化は資産の換金性向上という広い目的を表し、証券化はその目的を達成する具体的手段の一つです。つまり、すべての証券化は流動化ですが、すべての流動化が証券化ではありません。

実務上の使い分けとして、証券化は主に有価証券発行を伴う複雑なスキームを指し、機関投資家向けの大規模案件で用いられます。一方流動化は、売却やファクタリングなど簡易な手法も含む包括的な用語として、幅広い文脈で使用されます。金融機関にとって、両概念の理解は重要です。

顧客への提案では、証券化による本格的なファイナンスから、簡易な債権売却まで、ニーズに応じた流動化手法の選択が求められます。規制対応、会計処理、税務の観点からも、それぞれの特性を踏まえた適切な助言が必要です。

証券化と流動化の読み方

  • 証券化(ひらがな):しょうけんか
  • 証券化(ローマ字):shoukennka
  • 流動化(ひらがな):りゅうどうか
  • 流動化(ローマ字):ryuudouka
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