【減益】と【減収】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

減益と減収の分かりやすい違い
減益と減収は、どちらも企業業績の悪化を示しますが、見ている数字が異なります。
減益は利益(もうけ)の減少、減収は売上高の減少を意味します。
売上が減っても経費を削減すれば利益は増える場合もあるので、両方を確認することが大切です。
減益とは?
減益とは、企業の利益が前期や前年同期と比較して減少することを指します。利益には、売上総利益、営業利益、経常利益、純利益などの段階があり、どの段階の利益が減少したかによって、企業の問題点が異なります。営業利益の減益は本業の不振、経常利益の減益は財務面の悪化、純利益の減益は特別損失の発生などを示唆します。
減益の要因は様々で、売上高の減少、原材料費の高騰、人件費の増加、為替差損、減損損失などがあります。決算発表では「増収減益」(売上は増えたが利益は減った)という表現もよく使われ、売上は伸びても費用がそれ以上に増加した状態を示します。
投資家にとって、減益は企業の収益力低下を意味し、株価に悪影響を与える可能性があります。ただし、将来の成長のための戦略的な投資による一時的な減益は、必ずしもネガティブとは限りません。減益の内容と要因を詳しく分析することが重要です。
減益の例文
- ( 1 ) 原材料費の高騰により、今期は5%の減益を予想しています。
- ( 2 ) 営業利益が減益となったが、これは新規事業への先行投資によるものです。
- ( 3 ) 為替の円高影響で、海外子会社の利益が目減りし、連結で減益となりました。
- ( 4 ) 減益の主因は販管費の増加で、特に広告宣伝費が計画を上回りました。
- ( 5 ) 3期連続の減益により、抜本的な構造改革が必要と判断しました。
- ( 6 ) 一時的な減益を恐れず、将来の成長に向けた投資を継続します。
減益の会話例
減収とは?
減収とは、企業の売上高(営業収益)が前期や前年同期と比較して減少することを指します。売上高は企業活動の規模を示す最も基本的な指標で、商品やサービスの販売によって得られる収入の総額です。減収は、販売数量の減少、販売価格の下落、または両方が原因で発生します。
減収の背景には、市場環境の悪化、競争激化、製品ライフサイクルの成熟、顧客離れ、季節要因などがあります。特に、主力製品の売上減少や重要顧客の喪失は、大幅な減収につながります。業界全体が縮小している場合と、自社だけが減収している場合では、対策が異なります。
減収は必ずしも減益を意味しません。「減収増益」という状況もあり、売上は減っても経費削減や事業構造改革により利益を増やすことは可能です。しかし、継続的な減収は企業の成長性に疑問を投げかけ、将来の収益力低下につながる可能性があるため、注意が必要です。
減収の例文
- ( 1 ) 主力製品の販売不振により、第3四半期は前年同期比10%の減収となりました。
- ( 2 ) 減収の要因分析を行った結果、新規顧客の獲得不足が判明しました。
- ( 3 ) 国内市場の縮小により減収傾向が続いていますが、海外展開で補う方針です。
- ( 4 ) 減収にもかかわらず、コスト削減努力により営業利益は確保しました。
- ( 5 ) 競合他社の参入により市場シェアが低下し、減収を余儀なくされました。
- ( 6 ) 減収トレンドを反転させるため、新商品の投入を加速させています。
減収の会話例
減益と減収の違いまとめ
減益と減収は、企業業績を評価する上で重要な指標ですが、着目点が異なります。減益は収益性(効率性)の悪化、減収は事業規模の縮小を示します。
決算分析では、両方の指標を組み合わせて評価します。「増収増益」が理想ですが、「減収増益」なら経営効率化の成果と評価できます。
企業の真の実力を見極めるには、減益・減収の要因を詳しく分析し、一時的なものか構造的なものかを判断することが大切です。
減益と減収の読み方
- 減益(ひらがな):げんえき
- 減益(ローマ字):genneki
- 減収(ひらがな):げんしゅう
- 減収(ローマ字):genshu