【営業外費用】と【特別損失】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

営業外費用と特別損失の分かりやすい違い
営業外費用と特別損失は、どちらも会社の費用ですが、発生の仕方と頻度が違います。
営業外費用は、本業以外で定期的に発生する費用で、借入金の利息などが該当します。特別損失は、めったに起こらない特別な出来事による損失で、災害や事故による損失などです。
営業外費用は毎期発生、特別損失はめったに発生しないと覚えましょう。
営業外費用とは?
営業外費用とは、企業の主たる営業活動以外から生じる費用で、財務活動などに関連して経常的に発生するものです。代表例は支払利息、社債利息、為替差損、有価証券売却損などです。営業利益から営業外収益と営業外費用を加減して経常利益を算出します。
金融費用が中心となることが多く、企業の資金調達構造を反映します。借入依存度が高い企業ほど営業外費用が大きくなる傾向があります。為替相場の変動により、海外取引の多い企業では為替差損が発生することもあります。
営業外費用は毎期継続的に発生するため、企業の収益性を評価する際の重要な指標となります。過度な営業外費用は財務体質の悪化を示すシグナルとなることもあります。
営業外費用の例文
- ( 1 ) 今期の営業外費用は、借入金増加により前期比20%増加しました。
- ( 2 ) 営業外費用の削減のため、借入金の一部を資本性ローンに転換します。
- ( 3 ) 為替予約により、営業外費用となる為替差損を最小限に抑えています。
- ( 4 ) 営業外費用率が業界平均を上回っており、財務改善が急務です。
- ( 5 ) 社債の償還により、来期の営業外費用は大幅に減少する見込みです。
- ( 6 ) 営業外費用の内訳を分析し、金利負担の軽減策を検討中です。
営業外費用の会話例
特別損失とは?
特別損失とは、企業の通常の事業活動とは関係なく、臨時的・偶発的に発生する損失です。固定資産売却損、災害損失、減損損失、投資有価証券評価損、事業構造改革費用などが該当します。経常利益から特別利益と特別損失を加減して税引前当期純利益を算出します。
その期だけの一時的な損失であるため、企業の経常的な収益力を判断する際には除外して考えることが一般的です。ただし、頻繁に特別損失を計上する企業は、経営に問題がある可能性があります。
会計基準により、どの項目を特別損失とするかは厳格に定められています。投資家への適切な情報開示のため、発生原因や今後の影響について詳細な説明が求められます。
特別損失の例文
- ( 1 ) 地震により工場が被災し、10億円の特別損失を計上しました。
- ( 2 ) 不採算店舗の閉鎖により、特別損失5億円が発生する見通しです。
- ( 3 ) 保有株式の評価損を特別損失として処理することになりました。
- ( 4 ) 特別損失の計上により、当期は最終赤字となる見込みです。
- ( 5 ) リストラ費用を特別損失として、一括計上する方針です。
- ( 6 ) 過年度の特別損失を分析し、再発防止策を策定しています。
特別損失の会話例
営業外費用と特別損失の違いまとめ
営業外費用と特別損失は、本業以外の費用という点で共通しますが、発生頻度と性質が大きく異なります。営業外費用は経常的、特別損失は臨時的です。
財務分析では、営業外費用は経常利益で、特別損失は当期純利益で評価されます。企業の実力を正しく評価するには、この区分の理解が不可欠です。
適切な会計処理と開示により、投資家に企業の真の収益力を伝えることができます。
営業外費用と特別損失の読み方
- 営業外費用(ひらがな):えいぎょうがいひよう
- 営業外費用(ローマ字):eigyougaihiyou
- 特別損失(ひらがな):とくべつそんしつ
- 特別損失(ローマ字):tokubetsusonnshitsu