【収益】と【収入】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

収益と収入の分かりやすい違い
収益と収入は、どちらもお金の流入を表しますが、会計上の意味と使用範囲に違いがあります。
収益は企業会計における売上や利益を指す専門用語で、収入は個人・企業を問わず入ってくるお金全般を指す一般的な用語です。
財務管理や経営分析において、この違いを理解することは、正確な財務状況の把握に不可欠です。
収益とは?
収益とは、企業会計において、商品・サービスの販売や資産の運用などから得られる経済的利益を指す専門用語です。売上高、営業外収益、特別利益などが含まれ、損益計算書の収益の部に計上されます。費用と対比して利益を算出する基礎となります。
会計基準では、収益認識のタイミングが重要で、実現主義に基づいて計上されます。2021年から適用された収益認識基準により、より詳細な会計処理が求められるようになりました。収益性分析、収益改善、収益予測など、経営管理の中核概念です。
企業価値評価においても、収益力は重要な指標となります。売上高営業利益率、ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率)など、収益性を測る各種指標が投資判断に活用されます。
収益の例文
- ( 1 ) 第3四半期の収益は、前年同期比15%増加しました。
- ( 2 ) 新規事業の収益化に成功し、黒字転換を達成しました。
- ( 3 ) 収益認識基準の変更により、会計処理を見直す必要があります。
- ( 4 ) 収益性の低い事業部門の再編を検討しています。
- ( 5 ) リカーリング収益モデルへの転換で、安定成長を実現しました。
- ( 6 ) 収益予測を上方修正し、通期業績見通しを改善しました。
収益の会話例
収入とは?
収入とは、個人や組織に入ってくる金銭全般を指す一般的な用語です。個人では給与収入、事業収入、不動産収入、雑収入など、企業では売上収入、受取利息、配当収入などが該当します。支出と対になる概念で、家計や資金繰りの基本となります。
税務上、個人の収入は所得税の課税対象となり、給与所得、事業所得、不動産所得など10種類の所得に分類されます。収入から必要経費を差し引いたものが所得となり、これに税率が適用されます。確定申告では、収入の正確な把握が重要です。
キャッシュフロー管理では、収入のタイミングと金額の把握が資金繰りの要となります。定期収入と臨時収入の区別、収入の安定性評価が、個人のライフプランニングや企業の財務計画に不可欠です。
収入の例文
- ( 1 ) 今月の収入は、賞与を含めて50万円でした。
- ( 2 ) 副業収入が増えたため、確定申告が必要になりました。
- ( 3 ) 家賃収入により、安定した不労所得を確保しています。
- ( 4 ) 収入証明書を提出し、住宅ローンの審査を受けました。
- ( 5 ) フリーランスとして、複数の収入源を確保することが重要です。
- ( 6 ) 年収(年間収入)1000万円を目標に、キャリアアップを図ります。
収入の会話例
収益と収入の違いまとめ
収益と収入の根本的な違いは、使用される文脈と会計上の位置づけにあります。収益は企業会計の専門用語で、収入はより一般的で幅広い概念です。企業会計では、収益は損益計算書に計上され利益計算の基礎となりますが、収入はキャッシュフロー計算書で現金の流入として扱われます。
この違いは、発生主義と現金主義の違いでもあります。
実務では、文脈に応じた使い分けが重要です。財務諸表では収益、税務申告では収入、日常会話では両方使用されるなど、適切な用語選択が求められます。
収益と収入の読み方
- 収益(ひらがな):しゅうえき
- 収益(ローマ字):shuueki
- 収入(ひらがな):しゅうにゅう
- 収入(ローマ字):shuunyuu