【利益準備金】と【資本準備金】の違いとは？例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

利益準備金と資本準備金の分かりやすい違い

利益準備金と資本準備金は、どちらも法定準備金ですが、積立の源泉が異なります。

利益準備金は利益処分時に積み立てる準備金です。

資本準備金は株式発行時の払込剰余金から積み立てる準備金です。

利益準備金とは？

利益準備金とは、会社法で定められた法定準備金の一つで、配当などの利益処分を行う際に、その10分の1以上を積み立てることが義務付けられている準備金です。資本金の4分の1に達するまで積み立てる必要があり、会社の財務基盤を強化し、債権者保護を図ることが目的です。

利益準備金は、貸借対照表の純資産の部に計上され、原則として取り崩すことはできません。ただし、株主総会の特別決議により、欠損填補や資本金への組み入れは可能です。

配当可能利益の計算では、利益準備金は控除されます。利益準備金を積み立てる、利益準備金の取り崩しのように、利益から法定積立する準備金を表現する際に使用される言葉です。

利益準備金の例文

( 1 ) 今期の配当に伴い、利益準備金として1,000万円を積み立てます。
( 2 ) 利益準備金が資本金の4分の1に達したため、追加積立は不要です。
( 3 ) 累積損失の解消のため、利益準備金の取り崩しを検討しています。
( 4 ) 利益準備金は、会社の信用維持のための重要な財務バッファーです。
( 5 ) 配当可能利益の計算では、利益準備金の積立必要額を控除します。
( 6 ) 監査法人から、利益準備金の積立不足を指摘されました。

利益準備金の会話例

利益準備金と資本準備金の違いがわかりません。

利益準備金は利益から、資本準備金は株式発行などの資本取引から積み立てます。

準備金の積立は任意ですか？

いいえ、会社法で定められた法定準備金なので、条件を満たせば積立が義務です。

準備金はいつでも使えますか？

原則使えません。株主総会の特別決議により、限定的な用途でのみ使用可能です。

資本準備金とは？

資本準備金とは、会社法で定められた法定準備金の一つで、株式発行時に株主から払い込まれた金額のうち、資本金として計上しない部分を積み立てる準備金です。例えば、1株1,000円で発行し、500円を資本金、500円を資本準備金とすることができます。

会社の財務的な安定性を高める役割があります。資本準備金は、株式プレミアム（株式発行価額と額面金額の差額）、合併差益、会社分割差益などから構成されます。利益準備金と合わせて資本金の4分の1まで積み立てる必要があります。

株主総会の決議により、資本金への組み入れや欠損填補に使用できます。資本準備金として計上、資本準備金の資本組入れのように、資本取引から生じる準備金を表現する際に使用される言葉です。

資本準備金の例文

( 1 ) 増資により、資本準備金が5億円増加しました。
( 2 ) 株式発行価額の2分の1を資本金、残りを資本準備金としました。
( 3 ) 資本準備金を資本金に組み入れ、資本金を10億円に増強します。
( 4 ) M&Aによる合併差益を資本準備金として計上しました。
( 5 ) 資本準備金の一部を取り崩し、繰越欠損金を解消する予定です。
( 6 ) 上場時の公募増資で、多額の資本準備金が発生しました。

資本準備金の会話例

利益準備金の積立率は？

配当等の10分の1以上を、資本金の4分の1に達するまで積み立てます。

資本準備金を配当に使えますか？

直接配当には使えませんが、資本金に組み入れた後、減資により配当可能利益を生み出すことは可能です。

準備金と剰余金の違いは？

準備金は法律で積立が義務付けられたもの、剰余金はそれ以外の部分です。

利益準備金と資本準備金の違いまとめ

利益準備金と資本準備金は、どちらも会社の財務健全性を保つための法定準備金ですが、その性質は異なります。

利益準備金は営業活動から得た利益を源泉とし、配当時に積み立てます。資本準備金は資本取引を源泉とし、主に株式発行時に積み立てます。

両準備金を適切に管理することで、会社の信用力と財務の安定性が向上します。