【寡占企業】と【複占企業】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

寡占企業と複占企業の分かりやすい違い
寡占企業と複占企業は、ともに市場に対する支配力が高い企業形態ですが、その市場における企業数に違いがあります。
寡占企業は、少数の企業が市場を支配している状態を指し、通常3社以上の企業が存在します。一方、複占企業は、市場を2社のみが支配している状態を指し、寡占よりもさらに集中度が高い状態です。寡占市場では、企業間の競争が比較的緩やかな場合もありますが、複占市場では、2社間の激しい競争か、逆に談合によって高い価格水準が維持されるケースがあります。
寡占企業とは?
寡占企業とは、少数の企業が市場の大部分を支配している状態の企業を指します。通常、3社以上の企業が存在し、各企業の市場シェアが高く、市場に対する影響力が大きい特徴があります。
寡占市場では、参入障壁が高く、新規企業が参入しにくい環境にあります。企業間の競争は存在しますが、独占に比べると緩やかな場合もあります。
寡占企業は、規模の経済を活かして効率的な生産を行い、高い利益率を維持することが可能です。ただし、寡占企業間で談合が行われ、価格設定や市場分割が行われるケースもあり、その場合、消費者の利益は損なわれる可能性があります。
寡占企業の例文
- ( 1 ) スマートフォン市場は、数社の寡占企業によって支配されている。
- ( 2 ) 航空業界は、寡占状態にあり、新規参入が難しい。
- ( 3 ) 寡占企業間の競争が活発化し、価格競争が激しくなっている。
- ( 4 ) 寡占市場では、企業間の談合により、高い価格水準が維持されるケースがある。
- ( 5 ) 寡占企業は、規模の経済を活かし、効率的な生産を行っている。
- ( 6 ) 寡占状態にある市場では、消費者の選択肢が限られる可能性がある。
寡占企業の会話例
複占企業とは?
複占企業とは、市場を2社のみが支配している状態の企業を指します。寡占よりもさらに集中度が高く、2社の企業が市場シェアのほとんどを占めています。
複占市場では、参入障壁が非常に高く、新規企業の参入はほぼ不可能に近い状態です。2社間の競争は、非常に激しくなる場合と、逆に談合によって高い価格水準が維持される場合の両極端なケースが見られます。
複占企業は、互いに相手の行動を察知しやすく、協調的な行動をとることで、高い利益率を維持することが可能です。ただし、複占状態は、消費者の選択肢が非常に限られ、競争の欠如による弊害が生じやすい市場構造だと言えます。
複占企業の例文
- ( 1 ) コーラ市場は、完全に複占状態だよね。
- ( 2 ) 複占企業間の熾烈な競争が、イノベーションを促進している。
- ( 3 ) 複占市場では、2社の企業が協調的な行動をとるケースがある。
- ( 4 ) 複占状態では、新規企業の参入はほぼ不可能に近い。
- ( 5 ) 複占企業は、互いの行動を察知しやすく、協調的な価格設定を行いやすい。
- ( 6 ) 複占市場では、消費者の選択肢が非常に限られている。
複占企業の会話例
寡占企業と複占企業の違いまとめ
寡占企業と複占企業は、ともに市場支配力の高い企業形態ですが、市場における企業数に違いがあります。
寡占企業は、3社以上の少数企業が市場を支配しており、企業間の競争が比較的緩やかな場合もあります。一方、複占企業は、2社のみが市場を支配しており、寡占よりもさらに集中度が高い状態です。
複占市場では、2社間の激しい競争か、逆に談合による高価格維持のケースがあります。どちらの市場構造でも、参入障壁が高く、新規企業の参入が難しいという特徴があります。また、寡占・複占企業は、規模の経済を活かした効率的な生産と高い利益率を維持できる一方、競争の欠如による弊害や消費者選択肢の限定などの問題点も指摘されています。
市場の健全性を維持するためには、適切な競争政策の実施が重要だと言えます。
寡占企業と複占企業の読み方
- 寡占企業(ひらがな):かせんきぎょう
- 寡占企業(ローマ字):kasenkigyō
- 複占企業(ひらがな):ふくせんきぎょう
- 複占企業(ローマ字):fukusenkigyō