【福利厚生費】と【法定福利費】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

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福利厚生費と法定福利費の分かりやすい違い

福利厚生費と法定福利費は、どちらも会社が従業員のために支払う費用ですが、義務かどうかが大きく違います。福利厚生費は、会社が自由に決められる従業員へのサービス費用全般のことで、社員食堂の運営費、社員旅行代、スポーツジム利用補助などが含まれます。

一方、法定福利費は、法律で会社に支払いが義務付けられている費用で、主に社会保険料の会社負担分のことです。健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料などの会社が負担する部分がこれにあたります。

簡単に言うと、福利厚生費は会社が従業員のためにやってあげたいことの費用で、法定福利費は会社が従業員のために必ずやらなければならないことの費用です。経理処理では別の科目として管理されます。

福利厚生費とは?

福利厚生費は、企業が従業員の勤労意欲向上や生活支援を目的として任意に支出する費用の総称です。具体的には、社宅・寮の提供、社員食堂運営、健康診断費用(法定外)、慶弔見舞金、レクリエーション費用、資格取得支援、保養所運営費などが該当します。税務上は、全従業員を対象とした合理的な内容であれば損金算入が認められます。

近年は従業員のワークライフバランスを重視し、カフェテリアプラン(選択型福利厚生)、育児・介護支援、メンタルヘルスケアなど多様化しています。大手企業では福利厚生費が人件費の10-15%を占めることもあり、採用競争力の重要な要素となっています。

会計処理上は販売費及び一般管理費に計上されますが、製造部門の従業員に係るものは製造原価に含めることもあります。また、特定の役員のみを対象とする場合は給与として取り扱われる点に注意が必要です。

福利厚生費の例文

  • ( 1 ) 来期の福利厚生費予算として、新たに在宅勤務手当とオンライン英会話補助を追加計上する予定です。
  • ( 2 ) 社員の健康増進のため、福利厚生費からスポーツジムの法人契約費用を支出することを検討しています。
  • ( 3 ) 今年度の福利厚生費実績を分析したところ、社員食堂の赤字補填が予算を大幅に超過していました。
  • ( 4 ) 労働組合から、福利厚生費を削減して基本給に振り替えるべきとの要求が出ています。
  • ( 5 ) M&A対象企業のデューデリジェンスで、福利厚生費が同業他社比で突出して高いことが判明しました。
  • ( 6 ) 税務調査で、特定の管理職のみが利用している施設の費用を福利厚生費としていることを指摘されました。

福利厚生費の会話例

経理部長、福利厚生費が予算を超過していますが、どの項目を見直すべきでしょうか。
社員旅行と忘年会費用が大きいですね。コロナ後で参加率も低下しているので、オンラインイベントへの切り替えも検討しましょう。
福利厚生費を充実させたいのですが、税務上の注意点はありますか。
全従業員が公平に利用できることが重要です。特定の人だけが恩恵を受ける制度は、給与認定されるリスクがあります。
他社では福利厚生費としてどんな施策を実施していますか。
最近は、不妊治療支援、ペット休暇、副業支援など多様化しています。自社の従業員ニーズに合った制度設計が大切です。

法定福利費とは?

法定福利費は、労働関係法規により事業主に負担が義務付けられている社会保険料等の費用です。具体的には、健康保険料(協会けんぽ・健康保険組合)、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料の事業主負担分、さらに介護保険料(40歳以上)、子ども・子育て拠出金が含まれます。

2024年度の料率例として、健康保険料は標準報酬月額の約5%(労使折半)、厚生年金保険料は9.15%(労使折半)、雇用保険料は業種により0.65-0.85%(事業主負担分)、労災保険料は業種により0.25-8.8%(全額事業主負担)となっています。

法定福利費は人件費に連動して増加し、企業の社会保険料負担は給与総額の約15-16%に達します。建設業では、下請契約において法定福利費の内訳明示が推進されており、適正な価格転嫁による社会保険加入促進が図られています。

法定福利費の例文

  • ( 1 ) 建設業の下請見積りで、法定福利費を別枠で明示することが元請から求められています。
  • ( 2 ) 人件費削減のため派遣社員を増やしましたが、法定福利費の負担がないことも考慮しています。
  • ( 3 ) 社会保険料率の引き上げにより、来期の法定福利費が2000万円増加する見込みです。
  • ( 4 ) 新規採用者30名分の法定福利費を追加で予算計上する必要があります。
  • ( 5 ) 監査で、業務委託契約の実態が雇用関係にあたり、法定福利費の計上漏れを指摘されました。
  • ( 6 ) 海外子会社では、現地の社会保険制度に基づく法定福利費の負担が日本とは大きく異なります。

法定福利費の会話例

法定福利費の事業主負担を軽減する方法はないでしょうか。
残念ながら法定料率は削減できません。ただし、給与体系の見直しや、業務効率化による残業削減で総額を抑制することは可能です。
建設業ですが、法定福利費の別枠計上について教えてください。
国土交通省のガイドラインに従い、請負金額とは別に法定福利費を内訳明示することで、適正な保険加入を促進する仕組みです。
法定福利費が増加し続けていますが、人事戦略上どう対応すべきでしょうか。
総額人件費管理の観点から、基本給・賞与・法定福利費をトータルで設計し、生産性向上による一人当たり付加価値の向上が重要です。

福利厚生費と法定福利費の違いまとめ

福利厚生費と法定福利費は、企業の人的投資という点では共通しますが、経営戦略上の位置づけが大きく異なります。法定福利費は法的義務であり削減の余地が限定的ですが、福利厚生費は経営判断により柔軟に設計可能です。このため、業績悪化時には福利厚生費が削減対象となりやすい傾向があります。

財務分析の観点では、法定福利費率(法定福利費÷人件費)は業界平均と比較して適正な社会保険加入状況を示す指標となります。一方、福利厚生費の充実度は企業の従業員重視姿勢を表し、ESG投資の評価項目にもなっています。

人事戦略上は、法定福利費という必要コストを前提に、限られた予算内でいかに効果的な福利厚生制度を設計するかが重要です。特に人材獲得競争が激化する中、独自性のある福利厚生は差別化要因となります。

福利厚生費と法定福利費の読み方

  • 福利厚生費(ひらがな):ふくりこうせいひ
  • 福利厚生費(ローマ字):fukurikouseihi
  • 法定福利費(ひらがな):ほうていふくりひ
  • 法定福利費(ローマ字):houteifukurihi
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