【簿価】と【時価】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説
簿価と時価の分かりやすい違い
簿価と時価は、どちらも資産の価値を表す金額ですが、算定の基準時点が異なります。
簿価は買った時の値段を基準にした帳簿上の金額で、時価は今売ったらいくらになるかという現在の市場価格です。
この違いを理解することで、企業の真の財務状態や投資判断を適切に行えるようになります。
簿価とは?
簿価(帳簿価額)とは、資産を取得した際の原価から、減価償却累計額や評価損を差し引いた後の帳簿に記載されている金額です。例えば、1億円で購入した建物が、10年間で4,000万円償却されていれば、簿価は6,000万円となります。過去の取引に基づく客観的な数値であり、恣意性が入りにくいという特徴があります。
金融機関の融資審査では、簿価は企業の投資額と回収状況を示す指標となります。簿価純資産(総資産の簿価-総負債)は、企業の安全性を測る基本的な指標です。ただし、取得時期が古い資産では、簿価と実際の価値が大きく乖離する可能性があります。
重要なのは、簿価が保守的な会計の産物であることです。取得原価主義に基づき、確実性の高い数値を提供しますが、資産の現在価値を必ずしも反映しません。特に不動産や有価証券では、簿価と時価の乖離が経営判断に影響を与えます。
簿価の例文
- ( 1 ) 固定資産の簿価は10億円ですが、設備の老朽化により実際の価値は低下しています。
- ( 2 ) 簿価5,000万円の土地が、実は時価3億円であることが判明し、含み益を認識しました。
- ( 3 ) のれんの簿価を定期的に見直し、必要に応じて減損処理を実施しています。
- ( 4 ) 簿価ベースでは債務超過ですが、時価ベースでは資産超過となっています。
- ( 5 ) 投資有価証券の簿価と時価の差額を、その他有価証券評価差額金として計上しています。
- ( 6 ) 簿価純資産を基準にROEを計算し、経営効率を測定しています。
簿価の会話例
時価とは?
時価(市場価値)とは、ある時点において市場で実際に売買される価格、または合理的に算定された現在の経済価値です。上場株式なら証券取引所の終値、不動産なら不動産鑑定評価額などが時価となります。同じ資産でも、市場環境により時価は日々変動し、経済の実態を反映します。
投資判断や企業価値評価では、時価情報が不可欠です。M&Aでは時価純資産をベースに買収価格を検討し、金融商品の運用では時価評価により損益を把握します。銀行の担保評価も時価が基準となり、融資可能額に直接影響します。
特に注目すべきは、時価会計の拡大により、企業の財務諸表にも時価情報が反映されるようになったことです。その他有価証券の時価評価、減損会計、退職給付債務の時価評価など、経済実態をより正確に表す方向に会計基準が進化しています。
時価の例文
- ( 1 ) 保有株式の時価が大幅に上昇し、含み益が100億円に達しました。
- ( 2 ) 不動産の時価評価を毎年実施し、適正な資産価値を把握しています。
- ( 3 ) 時価総額が純資産簿価を下回っており、PBRが0.8倍となっています。
- ( 4 ) 金融商品は全て時価評価し、マーケットリスクを日次で管理しています。
- ( 5 ) M&Aの買収価格は、時価純資産に営業権を加えて算定しました。
- ( 6 ) 担保不動産の時価下落により、追加担保の差し入れが必要となりました。
時価の会話例
簿価と時価の違いまとめ
簿価と時価の決定的な違いは、過去と現在という時間軸の違いです。簿価は取得時の歴史的原価を基礎とし、時価は現在の市場評価を反映します。実務では両者の使い分けが重要で、会計上は簿価中心ですが、投資判断では時価を重視します。
簿価と時価の差額は含み損益と呼ばれ、企業の潜在的な財務力を示します。企業分析では、PBR(株価簿価倍率)のように両者の関係を示す指標もあり、簿価に対して時価(株価)がどの程度評価されているかを判断できます。
両方の視点を持つことが、正確な企業評価につながります。
簿価と時価の読み方
- 簿価(ひらがな):ぼか
- 簿価(ローマ字):boka
- 時価(ひらがな):じか
- 時価(ローマ字):jika