【見にくい】と【見づらい】の違いとは？例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

見にくいと見づらいの分かりやすい違い

見にくいと見づらいは、どちらも見ることの困難さを表しますが、その理由が異なります。

見にくいは「字が小さくて見にくい」のように、物理的・客観的に見ることが困難な状態です。見づらいは「恥ずかしくて見づらい」のように、心理的・感覚的に見ることが不快な状態です。

日常では、視覚的な問題は「見にくい」、感情的な問題は「見づらい」を使い分けます。

見にくいとは？

見にくいとは、物理的・客観的な理由で視覚的に見ることが困難な状態を表す形容詞です。「文字が小さくて見にくい」「逆光で見にくい」のように、照明、距離、大きさ、障害物などの外的要因によって、はっきりと見えない状況を指します。

日常生活では、メガネが必要な場面、暗い場所、小さな文字、遠くのものなど、視覚的な困難を表現する際に使われます。「見にくい場所」「見にくい角度」など、誰が見ても同じように感じる客観的な見えにくさを表現できます。年齢による視力の衰えも「見にくい」で表現されることが多いです。

見にくいは「見やすい」の反対語で、改善方法は照明を明るくする、文字を大きくする、距離を調整するなど、物理的な対策が中心となります。視覚情報のアクセシビリティを考える上で重要な概念です。

見にくいの例文

( 1 ) スマホの文字が小さすぎて見にくいので、設定で大きくしました。
( 2 ) 夕方は逆光で信号が見にくいから、運転には特に注意が必要です。
( 3 ) 老眼で新聞が見にくくなってきたので、メガネを作ることにしました。
( 4 ) この部屋は照明が暗くて、細かい作業が見にくいですね。
( 5 ) 雨で窓ガラスが曇って、外の景色が見にくくなっています。
( 6 ) 遠くの看板が見にくいので、もう少し近づいてみましょう。

見にくいの会話例

最近、パソコンの画面が見にくくなってきたんだよね。

それは大変だね。画面が暗いの？それとも文字が見にくい？

文字が小さくて見にくいんだ。目が疲れちゃって。

ああ、それなら画面の設定で文字を大きくすれば、見にくいのが改善されるよ。

そうか！物理的に見にくいなら、設定で解決できるんだね。

うん。見にくい問題は、だいたい環境を調整すれば良くなるよ。

見づらいとは？

見づらいとは、心理的・感覚的な理由で見ることが不快または困難な状態を表す形容詞です。「気まずくて顔を見づらい」「残酷なシーンは見づらい」のように、感情的な抵抗感や不快感によって、見ることを避けたくなる状況を指します。

人間関係では「久しぶりに会って見づらい」、映像では「グロテスクで見づらい」など、心理的なハードルがある場合に使われます。また、「見づらい雰囲気」のように、その場の空気や状況によって視線を向けることがためらわれる場合にも用いられます。

見づらいは主観的な感覚であり、同じものでも人によって感じ方が異なります。物理的には見えるけれど、心理的に見たくない、見ることに抵抗があるという複雑な感情を表現できる日本語特有の繊細な表現です。

見づらいの例文

( 1 ) ケンカした後だと、相手の顔を見づらい雰囲気になってしまいます。
( 2 ) 恥ずかしい失敗をした後は、みんなの顔が見づらいです。
( 3 ) 暴力的なシーンは見づらいので、目をそらしてしまいました。
( 4 ) 親が泣いている姿は、子供として見づらいものがあります。
( 5 ) 告白して振られた相手とは、顔を見づらい関係になってしまいました。
( 6 ) 悲しいニュースは見づらいけど、現実から目をそらすわけにはいきません。

見づらいの会話例

昨日の飲み会で失言しちゃって、今日みんなの顔が見づらいんだ。

あー、気まずいんだね。確かにそういう時は顔を見づらいよね。

そうなの。物理的には見えるけど、心理的に見づらくて。

分かるよ。見づらい気持ちはあるけど、時間が解決してくれるよ。

早く普通に顔を見られるようになりたいな。見づらいのは辛い。

大丈夫。みんなも分かってくれるよ。見づらい時期は一時的なものだから。

見にくいと見づらいの違いまとめ

見にくいと見づらいの最大の違いは、困難の原因です。見にくいは物理的障害、見づらいは心理的障害を表します。

日常会話では、メガネが必要なときは「見にくい」、気まずいときは「見づらい」というように使い分けると自然です。

どちらも「見る」ことの困難さを表しますが、その理由を正しく伝えることで、より的確な表現ができます。