【与信】と【信用】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

与信と信用の分かりやすい違い
与信と信用は、金融取引における信頼性に関する概念ですが、視点と具体性に違いがあります。
信用は取引相手の返済能力や信頼性という抽象的な概念、与信は金融機関が相手に信用を与える具体的な行為や金額を指します。信用があるから与信を受けられるという関係です。
金融実務では、信用調査に基づいて与信限度額を設定し、与信管理により貸倒れリスクをコントロールすることが重要です。
与信とは?
与信とは、金融機関や企業が取引先に対して信用を供与すること、またはその限度額を指します。具体的には、融資枠の設定、売掛金の発生を伴う掛売り、クレジットカードの利用限度額設定などが該当します。
与信管理は企業経営の重要課題で、取引先の財務状況や支払い履歴を分析し、適切な与信限度額を設定します。過大な与信は貸倒れリスクを、過小な与信は販売機会損失を招きます。
金融機関では、与信審査、与信限度額管理、与信集中リスク管理など、体系的な与信管理体制を構築し、健全な資産運用を図っています。
与信の例文
- ( 1 ) 新規取引先への与信限度額を3000万円に設定しました。
- ( 2 ) 与信審査の結果、融資申込みは否決となりました。
- ( 3 ) 与信集中を避けるため、一社への与信は総資産の10%以内とします。
- ( 4 ) 与信管理システムの導入により、貸倒れ率が大幅に改善しました。
- ( 5 ) 取引先の業績悪化により、与信限度額を引き下げました。
- ( 6 ) 与信ポートフォリオの定期的な見直しが重要です。
与信の会話例
信用とは?
信用とは、個人や企業の支払い能力、約束を守る能力、経済的信頼性を総合的に評価した概念です。過去の取引実績、財務状況、経営者の資質などから判断され、ビジネスの基盤となります。
信用は一朝一夕には築けず、長年の実績により蓄積されますが、一度の不祥事で簡単に失われる脆いものです。信用は第二の財産と言われる所以です。
現代では信用情報機関によるスコアリングや、格付け機関による信用格付けなど、信用の可視化・定量化が進み、より客観的な信用評価が可能になっています。
信用の例文
- ( 1 ) 長年の取引実績により、高い信用を築いています。
- ( 2 ) 信用不安が広がり、資金調達が困難になっています。
- ( 3 ) 企業の信用力は、資金調達コストに直結します。
- ( 4 ) 一度失った信用を回復するには、相当な時間が必要です。
- ( 5 ) 信用格付けがBBB以上の企業とのみ取引する方針です。
- ( 6 ) ESGへの取り組みが、企業の信用向上につながっています。
信用の会話例
与信と信用の違いまとめ
与信と信用の関係は、具体的行為と抽象的概念の違いです。信用は相手の信頼性そのもの、与信は信用評価に基づいて信用を供与する行為や金額を指します。
信用がある企業に対して与信枠1億円を設定するというように、信用は状態、与信は行動として使い分けられます。
実務では、定期的な信用調査により取引先の信用状態をモニタリングし、与信限度額の見直しを行うことで、健全な取引関係を維持します。
与信と信用の読み方
- 与信(ひらがな):よしん
- 与信(ローマ字):yoshinn
- 信用(ひらがな):しんよう
- 信用(ローマ字):shinnyou