【国債】と【政府債】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

国債と政府債の分かりやすい違い
国債と政府債は、どちらも国政府が資金調達のために発行する借用証書のような債券です。国が○年後に元本を返済し、それまで毎年利息を支払いますと約束する証券です。
日本では国債という呼び方が一般的で、ニュースや金融機関でもこの用語が使われます。政府債は同じものを指しますが、使用頻度は低めです。
どちらも国の信用力が裏付けとなっているため、債券の中では最も安全性が高いとされ、金融機関や年金基金の重要な運用先となっています。
国債とは?
国債とは、日本国政府が法律に基づいて発行する債券のことです。政府が財政資金を調達する主要な手段で、個人向け国債、利付国債、割引国債など様々な種類があります。満期は短期1年以内から超長期40年まで幅広く、用途により建設国債、赤字国債特例国債、復興債などに分類されます。
日本の国債残高は約1,000兆円を超え、GDPの2倍以上という世界でも高い水準にあります。国債は日本銀行の金融政策の重要なツールでもあり、国債の売買を通じて市場の資金量を調整します。
また、銀行の自己資本比率規制ではリスクウェイトがゼロとされ、最も安全な資産として扱われます。
国債の例文
- ( 1 ) 10年物国債の利回りは、長期金利の指標として注目されています。
- ( 2 ) 個人向け国債は、1万円から購入でき、中途換金も可能です。
- ( 3 ) 日銀の国債買い入れは、金融緩和政策の一環として実施されています。
- ( 4 ) 国債の格付けが下がると、利回りが上昇し、価格は下落します。
- ( 5 ) 新発10年国債の入札結果は、市場の金利観を反映しています。
- ( 6 ) 国債先物取引は、金利リスクをヘッジする手段として活用されています。
国債の会話例
政府債とは?
政府債とは、中央政府が発行する債務証券の総称で、日本では国債と同義です。国際的な文脈ではGovernment Bondの訳語として使われ、各国の国債を比較する際に用いられることがあります。
例えば、米国政府債米国債、ドイツ政府債ドイツ国債のように、他国の国債を指す場合に政府債という表現が使われます。国際機関の統計では、地方債と区別するために中央政府債という意味で使用されます。
金融市場では、政府債は信用リスクが最も低いリスクフリー資産として、他の金融商品の価格決定の基準となります。企業の社債利回りも、政府債利回りにリスクプレミアムを上乗せして決定されます。
政府債の例文
- ( 1 ) 主要国の政府債利回りは、グローバルな資金フローに影響を与えます。
- ( 2 ) 政府債の発行残高対GDP比は、財政健全性の指標となります。
- ( 3 ) 新興国政府債は、高利回りですが、デフォルトリスクも存在します。
- ( 4 ) 政府債市場は、世界最大の債券市場を形成しています。
- ( 5 ) 中央銀行の政府債購入は、量的緩和政策の主要な手段です。
- ( 6 ) ESG政府債グリーンボンド等の発行が、世界的に増加しています。
政府債の会話例
国債と政府債の違いまとめ
国債と政府債は実質的に同じ金融商品を指し、日本では国債が標準的な呼称です。財務省の公式文書でも国債が使用され、個人投資家から機関投資家まで広く認知されています。
両者の使い分けは文脈によりますが、日常的な金融取引では国債、国際比較や学術的な議論では政府債が使われる傾向があります。
いずれにせよ、国の信用力に基づく最も安全な投資先として、ポートフォリオの安定性を高める重要な役割を果たしています。
国債と政府債の読み方
- 国債(ひらがな):こくさい
- 国債(ローマ字):kokusai
- 政府債(ひらがな):せいふさい
- 政府債(ローマ字):seifusai