【公使】と【大使】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

公使と大使の分かりやすい違い
公使と大使は、どちらも外交使節団の長ですが、階級が異なります。
公使は大使の下位に位置する外交官で、現在はほとんど使われません。
大使は最高位の外交代表で、国家間の公式な外交を担当します。
公使とは?
公使とは、外交使節団の長の一つで、大使に次ぐ地位の外交官です。ウィーン条約により外交使節は3階級に分類され、大使が第1級、公使が第2級とされています。かつては国力の差や外交関係の重要度により、大使ではなく公使を派遣することがありましたが、現在ではほとんどの国が大使を交換しています。
公使館の長として任命される全権公使と、大使館で大使を補佐する公使(Minister)があります。後者は現在も使用され、大使不在時の臨時代理大使を務めることもあります。
外交儀礼上は大使より下位ですが、重要な外交業務を担当します。公使として赴任する、公使級会談のように、大使に次ぐ外交官を表現する際に使用される言葉です。
公使の例文
- ( 1 ) かつて公使館だった建物が、現在は大使館に格上げされています。
- ( 2 ) 公使級の外交官が、通商交渉の実務を担当することになりました。
- ( 3 ) 19世紀には多くの国が公使を派遣していましたが、現在は稀です。
- ( 4 ) 大使館の公使が、大使不在中の臨時代理大使を務めています。
- ( 5 ) 公使参事官として、専門分野の外交交渉に従事しています。
- ( 6 ) 歴史的に見ると、日本も明治時代は多くの公使館を設置していました。
公使の会話例
大使とは?
大使とは、国家を代表して外国に派遣される最高位の外交使節団の長です。正式名称は特命全権大使で、派遣国の元首から接受国の元首に対して信任状を提出し、正式に着任します。大使館を統括し、両国間の政治、経済、文化交流の促進、自国民の保護などの重要な任務を担います。
大使は外交特権を持ち、接受国の法的管轄権から免除されます。キャリア外交官から任命される職業大使と、政治家や民間人から任命される政治任用大使があります。
国連大使、EU大使など、国際機関に派遣される大使もいます。大使として着任する、駐日アメリカ大使のように、最高位の外交代表を表現する際に使用される言葉です。
大使の例文
- ( 1 ) 新任の駐日フランス大使が、天皇陛下に信任状を捧呈しました。
- ( 2 ) 大使公邸でのレセプションに、財界関係者が多数招待されました。
- ( 3 ) 民間企業出身者が、初めて駐中国大使に任命されました。
- ( 4 ) 大使館は領事業務も行い、在留邦人の支援を行っています。
- ( 5 ) 国連大使として、安全保障理事会での重要な役割を担っています。
- ( 6 ) 大使の離任に際し、送別レセプションが開催されました。
大使の会話例
公使と大使の違いまとめ
公使と大使は、外交使節の階級による区別ですが、現代では実質的に大使が標準となっています。公使は歴史的な名称となりつつあり、現在は大使館の次席外交官の肩書きとして残っています。
大使は国家間外交の要として、重要な役割を果たし続けています。
国際関係の平等化により、ほぼすべての外交関係で大使が交換されるようになりました。
公使と大使の読み方
- 公使(ひらがな):こうし
- 公使(ローマ字):koushi
- 大使(ひらがな):たいし
- 大使(ローマ字):taishi