【委任】と【請負】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

委任と請負の分かりやすい違い
委任は、当事者の一方(委任者)が、法律行為をすることを相手方(受任者)に委託し、その委託に基づいて受任者が委任者のために法律行為を行う契約です。一方、請負は、当事者の一方(請負人)が、ある仕事を完成することを約束し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約です。
委任では、受任者は委任者の指示に従って業務を行いますが、請負では、請負人は自らの裁量と責任で仕事を完成させます。また、委任では、受任者は善管注意義務を負いますが、請負では、請負人は仕事の完成義務を負います。
委任とは?
委任は、当事者の一方(委任者)が、法律行為をすることを相手方(受任者)に委託し、その委託に基づいて受任者が委任者のために法律行為を行う契約です。
委任契約では、受任者は委任者の指示に従って業務を行う必要があります。受任者は、委任者から委託された事務を処理するにあたり、善良な管理者の注意をもって業務を行う義務(善管注意義務)を負います。また、受任者は、委任者に対して報告義務を負い、委任者からの請求があれば、いつでも契約の履行状況や結果について報告しなければなりません。
委任契約は、法律行為の代行が目的となるため、弁護士や税理士、不動産仲介業者などが受任者となることが多いです。委任契約は、委任者と受任者の信頼関係に基づいて成立するため、受任者の能力や適性が重視されます。
委任の例文
- ( 1 ) 弁護士に訴訟の提起と遂行を委任する。
- ( 2 ) 税理士に確定申告の手続きを委任する。
- ( 3 ) 不動産仲介業者に物件の売買交渉を委任する。
- ( 4 ) 会計事務所に経理業務を委任する。
- ( 5 ) 特許事務所に特許出願の手続きを委任する。
- ( 6 ) 探偵事務所に人探しを委任する。
委任の会話例
請負とは?
請負は、当事者の一方(請負人)が、ある仕事を完成することを約束し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約です。
請負契約では、請負人は自らの裁量と責任で仕事を完成させる必要があります。請負人は、注文者から委託された仕事を完成させる義務(仕事完成義務)を負います。また、請負人は、仕事の結果に瑕疵がないように注意を払う必要があります。請負契約は、建設工事や製造物の制作、システム開発などが対象となることが多いです。
請負契約では、仕事の完成が重視されるため、請負人の技術力や実績が重要視されます。請負契約では、注文者は請負人に対して報酬を支払う義務がありますが、仕事の完成が条件となります。
請負の例文
- ( 1 ) 建設会社に住宅の建築工事を請け負ってもらいたいのですが、どのような手順で進めるのでしょうか?
- ( 2 ) ソフトウェア開発会社にWebアプリケーションの開発を請け負わせる。
- ( 3 ) デザイン事務所にロゴデザインの制作を請け負わせる。
- ( 4 ) 印刷会社に商品カタログの印刷を請け負わせる。
- ( 5 ) イベント会社に展示会の運営を請け負わせる。
- ( 6 ) 造園業者に庭園の設計と施工を請け負わせる。
請負の会話例
委任と請負の違いまとめ
委任と請負は、ともに当事者間の契約ですが、その目的と責任の所在が異なります。
委任は、法律行為の代行が目的であり、受任者は委任者の指示に従って業務を行い、善管注意義務を負います。一方、請負は、ある仕事の完成が目的であり、請負人は自らの裁量と責任で仕事を完成させ、仕事完成義務を負います。
委任では、受任者の能力や適性が重視されるのに対し、請負では、請負人の技術力や実績が重要視されます。また、委任では、受任者は報告義務を負いますが、請負では、請負人は仕事の結果に対して瑕疵担保責任を負います。
両者の違いを理解した上で、適切な契約形態を選択することが重要です。
委任と請負の読み方
- 委任(ひらがな):いにん
- 委任(ローマ字):inin
- 請負(ひらがな):うけおい
- 請負(ローマ字):ukeoi