【上場】と【株式公開】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

上場と株式公開の分かりやすい違い
上場と株式公開は、これまで限られた人だけが持っていた会社の株式を、証券取引所を通じて誰でも売買できるようにすることです。会社が公の会社になる重要な節目といえます。
上場は証券取引所に株式を登録して売買を始めること、株式公開は株式を一般に公開することを意味しますが、日本では同じ意味で使われることがほとんどです。
どちらも英語のIPOInitial Public Offering:新規株式公開を指し、企業の成長における大きなマイルストーンとなります。
上場とは?
上場とは、企業の株式を証券取引所で売買できるようにすることです。東京証券取引所のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場などに株式を登録し、一般投資家が自由に取引できる状態にします。
上場するには、財務内容の健全性、コーポレートガバナンス体制、情報開示体制など、取引所が定める厳格な審査基準をクリアする必要があります。上場後は四半期ごとの決算開示など、継続的な情報開示義務が発生します。
上場のメリットは、資金調達力の向上、知名度・信用力の向上、従業員のモチベーション向上などです。一方、情報開示コストの増加、買収リスクの発生などのデメリットもあります。
上場の例文
- ( 1 ) 当社は来年、東証グロース市場への上場を目指しています。
- ( 2 ) 上場企業には、四半期決算の開示義務があります。
- ( 3 ) 上場審査では、内部統制システムの整備状況が重視されます。
- ( 4 ) マザーズから東証プライムへの上場市場変更を申請しました。
- ( 5 ) 上場廃止基準に抵触した場合、改善期間が設けられます。
- ( 6 ) 上場準備には通常2-3年の期間が必要とされています。
上場の会話例
株式公開とは?
株式公開とは、それまで創業者や特定の投資家だけが保有していた株式を、広く一般投資家に販売・流通させることです。Initial Public OfferingIPOとも呼ばれ、企業の所有構造が大きく変わる転換点となります。
株式公開の方法には、公募新株発行、売出し既存株主の株式売却、またはその組み合わせがあります。主幹事証券会社を中心に、価格決定から販売まで綿密な準備が行われます。
株式公開により、企業は大規模な資金調達が可能となり、創業者や初期投資家は投資回収の機会を得ます。ベンチャーキャピタルにとっては、最も重要なイグジット投資回収手段の一つです。
株式公開の例文
- ( 1 ) 株式公開により、約50億円の資金調達に成功しました。
- ( 2 ) 株式公開価格は、ブックビルディング方式で決定されます。
- ( 3 ) ベンチャーキャピタルは、株式公開による投資回収を期待しています。
- ( 4 ) 株式公開後の株価が公開価格を上回る状態を初値高騰といいます。
- ( 5 ) 株式公開準備企業は、監査法人による会計監査が必須です。
- ( 6 ) グローバルな株式公開では、海外投資家向けのロードショーも実施されます。
株式公開の会話例
上場と株式公開の違いまとめ
上場と株式公開は、実務上ほぼ同義語として使用されています。企業が上場する株式公開するIPOするといった表現は、すべて同じプロセスを指しています。厳密な定義では、株式公開は株式を公に開放すること全般を指し、上場は取引所での売買開始を指しますが、日本では取引所上場以外の株式公開は稀なため、区別されません。
いずれにせよ、企業にとっては経営の透明性向上と成長加速の重要な機会であり、投資家にとっては新たな投資機会の提供という意味で、資本市場の発展に不可欠な仕組みです。
上場と株式公開の読み方
- 上場(ひらがな):じょうじょう
- 上場(ローマ字):joujou
- 株式公開(ひらがな):かぶしきこうかい
- 株式公開(ローマ字):kabushikikoukai