【事業譲渡】と【合併】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

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事業譲渡と合併の分かりやすい違い

事業譲渡と合併は、どちらも会社の組織を変える方法ですが、会社がどうなるかが大きく違います。事業譲渡は、会社の一部の事業だけを他の会社に売ることで、元の会社は残ります。

合併は、2つ以上の会社が1つになることで、少なくとも1つの会社はなくなります。

事業譲渡は一部を売る、合併は会社が一つになると覚えましょう。

事業譲渡とは?

事業譲渡とは、会社が営む事業の全部または一部を、他の会社に有償で譲り渡す取引行為です。譲渡会社は法人格を維持したまま、特定の事業に関する資産、負債、契約関係などを選択的に移転できます。不採算事業の切り離しや事業の選択と集中に活用されます。

譲渡対象は個別に特定する必要があり、従業員の雇用契約や取引先との契約は自動的に承継されません。個別の同意取得が必要となります。譲渡対価は通常現金で支払われ、譲渡益には法人税が課税されます。

会社法上、重要な事業譲渡には株主総会の特別決議が必要です。競業避止義務により、譲渡会社は一定期間同一事業を営むことが制限されます。柔軟な事業再編が可能な一方、手続きの煩雑さがデメリットとなります。

事業譲渡の例文

  • ( 1 ) 主力事業への集中のため、非中核事業の事業譲渡を決定しました。
  • ( 2 ) 事業譲渡により得た資金で、新規事業への投資を計画しています。
  • ( 3 ) 事業譲渡契約において、3年間の競業避止条項を設定しました。
  • ( 4 ) 事業譲渡に伴い、該当部門の従業員100名の転籍手続きを進めています。
  • ( 5 ) 事業譲渡のデューデリジェンスで、簿外債務の有無を確認中です。
  • ( 6 ) 事業譲渡完了後も、一定期間のアフターサービスを提供します。

事業譲渡の会話例

事業譲渡と合併、どちらを選ぶべきですか?
特定事業のみ手放したいなら事業譲渡、企業全体の統合によるシナジーを狙うなら合併が適しています。
事業譲渡で負債は引き継がれますか?
原則として引き継がれません。ただし、契約で特定の負債を承継することは可能です。
事業譲渡の価格はどう決まりますか?
DCF法、類似企業比較法などで事業価値を算定し、交渉により決定します。

合併とは?

合併とは、2つ以上の会社が契約により1つの会社になる組織再編行為です。吸収合併(存続会社が消滅会社を吸収)と新設合併(全社が消滅し新会社設立)の2種類があります。消滅会社の権利義務は包括的に存続会社に承継されます。

企業規模の拡大、シナジー効果の創出、経営効率化などを目的として実施されます。株主には合併比率に応じて存続会社の株式が交付されます。従業員の雇用、取引関係、許認可なども原則として自動承継されます。

債権者保護手続き、株主総会の特別決議、登記手続きなど法定の手続きが必要です。企業文化の融合、システム統合、人事制度の一元化など、統合後の課題も多く、PMI(統合プロセス)の成否が合併の成功を左右します。

合併の例文

  • ( 1 ) 競合他社との合併により、業界シェア30%を達成する見込みです。
  • ( 2 ) 合併後の新会社名と本社所在地について、両社で協議しています。
  • ( 3 ) 合併比率1:0.8で最終合意し、株主総会の承認を得ました。
  • ( 4 ) 合併に反対する株主からの株式買取請求に対応しています。
  • ( 5 ) 合併後のシステム統合に、約2年間を要する見通しです。
  • ( 6 ) 合併による人員削減は行わず、全従業員の雇用を維持します。

合併の会話例

合併で従業員の待遇は変わりますか?
労働条件は原則維持されますが、就業規則の統一により一部変更される可能性があります。
合併の失敗要因は何ですか?
企業文化の衝突、統合プロセスの不備、シナジー効果の過大評価などが主な要因です。
小規模な会社同士でも合併は可能ですか?
可能です。規模に関わらず、手続きを踏めば合併できます。中小企業の生き残り戦略としても有効です。

事業譲渡と合併の違いまとめ

事業譲渡と合併は、M&Aの代表的手法ですが、その効果と手続きは大きく異なります。事業譲渡は特定事業の売買、合併は会社全体の統合です。

事業譲渡は柔軟性が高く部分的な再編が可能、合併は包括承継により手続きは簡素だが会社全体への影響が大きいという特徴があります。

企業の戦略目的、財務状況、組織文化などを総合的に判断し、最適な手法を選択することが重要です。

事業譲渡と合併の読み方

  • 事業譲渡(ひらがな):じぎょうじょうと
  • 事業譲渡(ローマ字):jigyoujouto
  • 合併(ひらがな):がっぺい
  • 合併(ローマ字):gappei
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