【請負】と【委託】の違いとは?例文付きで使い方や意味をわかりやすく解説

請負と委託の分かりやすい違い
請負と委託は、ともに業務を外部に発注する形態ですが、その契約内容と責任範囲に違いがあります。請負は、発注者が求める成果物を、受注者が責任を持って完成させることを契約します。
委託は、発注者が求める業務を、受託者が代行して行うことを契約します。請負では、受注者が成果物の完成に必要な手段や方法を自ら決定するのに対し、委託では、発注者が業務の進め方に関与することがあります。
請負では、成果物の瑕疵に対する責任は受注者が負うのに対し、委託では、受託者は善管注意義務を負うものの、結果責任は問われないことが一般的です。
請負とは?
請負とは、発注者が求める成果物を、受注者が責任を持って完成させることを契約する形態です。建設工事や製品の製造、システム開発などで広く用いられています。
請負契約では、受注者は、発注者から提示された仕様や要件に基づいて、成果物を完成させる義務を負います。受注者は、成果物の完成に必要な手段や方法を自ら決定し、必要な資材や人員を手配します。請負の報酬は、通常、成果物の完成を条件に支払われます。受注者は、成果物の品質や性能、納期などに責任を持ち、瑕疵があった場合は、無償で修補や代替品の提供を行う必要があります。
請負は、発注者にとっては、成果物の完成までの過程に関与する必要がなく、受注者の専門性を活用できるメリットがあります。一方、受注者にとっては、成果物の完成に対する責任が大きい分、リスクも高くなります。
請負の例文
- ( 1 ) 当社は、A社からの請負で、新工場の建設を行っている。
- ( 2 ) 彼は、個人事業主として、請負でウェブサイトの制作を行っている。
- ( 3 ) B社は、大手メーカーから請け負った製品の組立を行っている。
- ( 4 ) 私は、請負契約に基づいて、顧客先でシステム開発を行っている。
- ( 5 ) C社は、公共工事の請負で、道路の拡張工事を担当している。
- ( 6 ) 彼女は、請負で引き受けたイラストの制作を、期日までに完成させた。
請負の会話例
委託とは?
委託とは、発注者が求める業務を、受託者が代行して行うことを契約する形態です。業務の実施に必要な専門知識やノウハウを持つ外部の事業者に委ねることで、発注者は自社の人材や設備を割かずに業務を遂行できます。
委託契約では、受託者は、発注者から提示された業務の目的や範囲に沿って、善管注意義務を持って業務を行う必要があります。ただし、委託では、業務の遂行方法や人員の選定などは、受託者の裁量に任されることが一般的です。委託の報酬は、通常、業務の実施状況に応じて支払われます。受託者は、業務の進捗状況や結果について、発注者に報告する義務を負います。
委託は、発注者にとっては、業務の一部を外部に任せることで、自社のリソースを効率的に活用できるメリットがあります。一方、受託者にとっては、発注者の業務を支援することで、自社の専門性を活かせる機会となります。
委託の例文
- ( 1 ) 人材派遣会社への委託を検討しているんだけど、どう思う?
- ( 2 ) 彼は、会計事務所に経理業務を委託している。
- ( 3 ) A社は、物流会社に商品の配送業務を委託している。
- ( 4 ) 私は、弁護士に法律相談を委託した。
- ( 5 ) B社は、広告代理店に販売促進業務を委託している。
- ( 6 ) 彼女は、翻訳会社に資料の翻訳を委託した。
委託の会話例
請負と委託の違いまとめ
請負と委託は、ともに業務を外部に発注する形態ですが、その契約内容と責任範囲に違いがあります。請負は、発注者が求める成果物を、受注者が責任を持って完成させることを契約するのに対し、委託は、発注者が求める業務を、受託者が代行して行うことを契約します。
請負では、受注者が成果物の完成に必要な手段や方法を自ら決定し、その品質や納期に責任を負うのに対し、委託では、受託者は善管注意義務を負うものの、業務の遂行方法などは受託者の裁量に任され、結果責任は問われないことが一般的です。請負は、建設工事や製品の製造などで広く用いられ、委託は、人材派遣や経理業務の代行などで活用されています。
発注者は、自社の業務内容や目的に応じて、請負と委託を使い分ける必要があります。
請負と委託の読み方
- 請負(ひらがな):うけおい
- 請負(ローマ字):ukeoi
- 委託(ひらがな):いたく
- 委託(ローマ字):itaku